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2021.11.29
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一般診療所の損益率は個人、法人とも前年度に比べて悪化―医療経済実態調査

メディカルサポネット 編集部からのコメント

11月24日に開かれた中央社会保険医療協議会総会で厚生労働省は、2020年度の一般診療所の1施設当たり損益率が、個人28.0%(19年度31.8%)、医療法人3.8%(6.5%)と、「医療経済実態調査」の結果が前年度と比較し、悪化したと報告しました。新型コロナウイルス感染拡大による外来患者の減少などが影響したとみられています。
新型コロナ関連の補助金を含めた場合でも、19年度よりは低い水準にはとどまっていますが、診療所は黒字、一般病院は補助金を含めれば黒字であることなどを理由に、支払側が診療報酬本体のマイナス改定を主張するのは必至とみられています。

 

厚生労働省は11月24日の中央社会保険医療協議会総会に、「医療経済実態調査」の結果を報告した。それによると、一般診療所の2020年度の1施設当たり損益率は、個人28.0%(19年度31.8%)、医療法人3.8%(6.5%)と、いずれも前年度から悪化。新型コロナウイルスの感染拡大による外来患者の減少などが影響したとみられる。新型コロナ関連の補助金を含めた場合は、個人28.8%、医療法人4.2%とわずかに改善するものの、19年度よりは低い水準にとどまっている。

 

一般診療所の病床の有無別の損益率は、有床診が個人18.9%(21.2%)、医療法人2.7%(3.0%)、無床診が個人28.8%(32.7%)、医療法人4.0%(7.1%)。補助金を含めた場合は、有床診の個人19.4%、医療法人2.9%、無床診の個人29.6%、医療法人4.4%と、一般診療所全体と同様に改善が認められるものの、19年度の水準には届かなかった。なお、個人立は損益差額に開設者の報酬等が含まれるが、医療法人の院長の報酬は費用に計上されているため、個人立と医療法人の損益率の比較には留意が必要。

 

医療法人立の診療所については、コロナの診療・検査医療機関の指定有無別の分析も行なった。それによると、指定ありの損益率は2.3%(5.6%)、なしは4.5%(6.9%)。補助金を含めた場合は、指定あり3.0%、なし4.8%となり、補助金の有無に関係なく、指定ありの診療所の損益率のほうが低い結果となった。

 

■一般病院の損益率は▲6.9%、補助金込みの場合は0.4%に

一方、一般病院全体の損益率は、▲6.9%(▲3.1%)と前年度から赤字が拡大。補助金を含めた場合は0.4%となり、補助金の投入でなんとか黒字経営を維持していることをうかがわせた。開設主体別の損益率は、補助金なしの場合、医療法人0.1%(1.8%)、国立▲9.2%(▲1.7%)、公立▲21.4%(▲14.2%)、公的▲3.0%(▲0.2%)、その他▲3.1%(0.3%)。補助金を含めた場合は、医療法人2.3%、国立6.8%、公立▲7.3%、公的5.4%、その他1.2%で、公立は補助金を含めた損益率でも大幅な赤字となっている。

 

コロナ重点医療機関等の指定別の損益率も軒並み赤字となった。補助金を含めた場合は唯一、重点医療機関の損益率だけが黒字化したが、協力医療機関や、受入病床を割り当てられた医療機関、受入病床の割り当てのない医療機関は赤字のままだった。

 

■厚労相への進言に向け、各側に意見の提出を要請―小塩会長

診療報酬の改定率は来年度予算の編成過程で内閣が決定するが、中医協も改定率に関する意見を厚生労働大臣に進言することができる。そのため、小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)は同日の総会で、調査結果を踏まえた意見を提出するよう各側に要請した。診療所の損益率が悪化はしたものの黒字であることや、一般病院は補助金を含めれば黒字であることなどを理由に、今後、支払側が診療報酬本体のマイナス改定を主張するのは必至とみられ、プラス改定を求める診療側との対立は避けられそうもない。

 

 

出典:Web医事新報

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