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2021.10.14
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新型コロナ患者対応の診療報酬特例が拡充─基本診療料の加算特例は終了、補助金支給へ【まとめてみました】

メディカルサポネット 編集部からのコメント

2021年4月から特例で実施されてきた「医科外来等感染症対策実施加算(5点)」などの加算が予定通り終了する一方で、10月以降は、新型コロナウイルス感染症患者対応時の診療報酬特例が拡充されます。また、医療機関などへの感染拡大防止にかかる経費は、新設の補助金によって幅広く支援されることになります。岸田首相が「公的価格の抜本的見直し(看護師らの賃上げなど)」を明言するなど、2024年の診療報酬改定に向けて中医協の議論、改定率を巡る政府内の調整の行方に注目が集まっています。

 

10月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者対応時の診療報酬特例が拡充される。一方、2021年4月から特例として実施してきた「医科外来等感染症対策実施加算(5点)」など医療機関経営を広く下支えする加算は予定通り終了。医療機関などへの感染拡大防止にかかる経費は、新たに創設される補助金によって支援する。本欄では10月以降の医療機関に対する支援やCOVID-19患者対応の診療報酬特例について詳報する。

 

厚生労働省は9月28日、10月以降の医療機関における対応の診療報酬上の対応などについて事務連絡した(上表)。患者を診療した際の診療報酬上の特例を拡充する。

 

外来の抗体カクテル療法は2850点

外来では、都道府県から「診療・検査医療機関」に指定、自治体HPにその旨が公表されている医療機関がCOVID-19疑い患者に対し、必要な感染予防策を講じた上で診療を実施した場合、2022年3月末まで「院内トリアージ実施料」の特例を300点から550点に引き上げる。外来でCOVID-19患者の診療を行った場合は「救急医療管理加算1」の特例として950点を1日1回算定、中和抗体薬「ロナプリーブ」を投与した場合、同加算特例の3倍に当たる2850点を投与日に算定可能とする。

 

緊急往診での抗体カクテル療法は4750点

在宅では、自宅(高齢者施設を含む)・宿泊療養者に対し、要件を満たす医療機関が緊急往診した場合の評価について、ロナプリーブを投与した場合は通常の5倍の4750点、その他の場合は3倍の2850点に引き上げる。主治医の指示を受けて、緊急の訪問看護を行った際の評価も通常の3倍に増額。訪問看護ステーションからの場合は「長時間訪問看護加算」として1万5600円を、医療機関からの場合は「長時間訪問看護・指導加算」として1560点を算定できる。

 

調剤では、自宅・宿泊療養者に対し、保険薬局の薬剤師が保険医の求めによって緊急訪問し、必要な服薬指導を行った場合は「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1」(500点)、電話や情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合は同指導料2(200点)をそれぞれ算定できる。自宅・宿泊療養者の服薬状況について、医療機関から情報提供の求めに応じて、薬剤師が患者の同意を得た上で服薬状況などの情報を文書で提供した場合、通常は月1回の限度を超えて「服薬情報提供料1」(30点)を算定できる。

 

感染防止対策費用を幅広に補助

9月末には4月から医療機関等の経営を幅広く支援するための時限措置として実施された「感染症対策実施加算」が予定通り終了。初・再診5点(1回当たり)、入院10点(1日当たり)、調剤4点(1回当たり)、訪問看護50円(1回当たり)という報酬への上乗せから、感染拡大防止にかかる「かかり増し経費」を実費で補助する形に切り替える。例外として、6歳未満の乳幼児に診療を行った場合の初・再診料や外来診療料への上乗せは、100点から50点に減額して2022年3月末まで継続する。

 

厚労省は10月7日に事務連絡を送付、「2021年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止継続支援補助金」の補助額上限や対象となる費用、期間など制度の概要について周知した。

 

同補助金の上限は、病院・有床診療所が10万円、無床診療所が8万円、薬局や訪問看護事業者助産所は6万円となっている。COVID-19患者・疑い患者の受入れ対応は要件となっていない。

 

補助対象となる経費は、賃金、報酬、謝金、会議費、旅費、需用費(消耗品費、印刷製本費、材料費、光熱水費、燃料費、修繕料、医薬材料費)、役務費(通信運搬費、手数料、保険料)、委託料、使用料および賃借料、備品購入費―などで幅広に適用。同日付の事務連絡ではQ&Aが示され、HEPAフィルターの付いていない空気清浄機や医療用でない一般用の空気清浄機、紫外線殺菌照射装置の購入費用、入院患者のオンライン面会等のためのWi-Fi環境の整備等に要する費用なども補助の対象となる。ただし従前から勤務している従業員や通常の医療提供を行う従業員の人件費は対象とはならない。

 

 

 

新補助金は申請書類を簡素化

同補助の特徴は、医療機関などの負担を軽減するために「領収書等の証拠書類添付を省略し、インターネットを利用した電子申請」が可能で、電子申請が困難な場合には郵送等の申請もできる点にある。領収書等の証拠書類を提出する必要はないが、交付決定から5年間の保管が求められる。

 

厚労省は11月1日に同省ホームページに電子申請窓口を開設する予定で、インターネットから基本情報(施設名称、施設類型、代表者職名・氏名、連絡先、振込先等)・感染拡大防止対策に要した費用(品目、数量、金額等)を入力して申請する形になる。

 

費用が確定する前の概算申請は認められず、事業に要する費用が確定してから申請する。申請は各施設1回のみで2021年11月1日~2022年1月31日の間に行う必要がある。

 

岸田首相が「公的価格の抜本的見直し」を明言

医療機関の経営や医療従事者の待遇を巡っては、10月4日に第100代首相に就任した自民党の岸田文雄総裁が同日夜に記者会見を開き、政策として掲げる「新しい資本主義」の実現に向け、「医師、看護師、介護士、幼稚園教諭、保育士など社会の基盤を支える現場で働く方々の所得向上に向け、公的価格のあり方の抜本的見直しを行う」と述べた。

岸田首相は10月8日に衆参両院の本会議で行った所信表明演説でも、新型コロナ対応の最前線で働く人の収入を増やすため「公的価格評価検討委員会」を設置し、公的価格のあり方を抜本的に見直す方針を示している。

日本医師会の中川俊男会長は6日の定例記者会見で岸田首相の発言を受け、「まさに日医の考える方向性と同じ。社会保障の充実によって国民の安心を取り戻すことで経済の好循環が実現されるよう日医も協力していく」とコメント、全面的に支持する考えを示した。来年4月には診療報酬改定が控えており、年末の予算編成に向けて中医協の議論、改定率を巡る政府内の調整の行方に注目が集まる。

 

 

出典:Web医事新報

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