2021.09.22
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宿日直許可基準、日病・相澤会長「解釈に幅を」
救急・産科医療の崩壊に危機感

メディカルサポネット 編集部からのコメント

医師などの宿日直許可の基準を厳格に適用すると救急医療と産科医療はほぼ崩壊するとの見方を日本病院会の相澤孝夫会長が示し、解釈の幅の必要性について強調しました。2024年度から時間外労働の上限規制が医師にも適用されるものの、宿日直は規制の対象外とされています。宿日直と言うための基準をクリアしなければ、時間外労働となり総労働時間などに影響し病院運営に大きな支障をもたらす恐れがあるため、相澤会長は、事例を集めながら、どういったケースで許可されるのかを各病院に認知してもらうことが大事と述べました。

     

 日本病院会の相澤孝夫会長は21日に開いた定例記者会見で、医師などの宿日直許可の基準を厳格に適用すると救急医療と産科医療はほぼ崩壊するとの見方を示し、解釈の幅の必要性について強調した。【川畑悟史】

 

 

定例記者会見を行う日本病院会の相澤会長(日本病院会提供)

 

 

 時間外労働の上限規制が2024年度から医師にも適用されるが、宿日直は規制の対象外とされている。宿日直と言えるためには、「通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後」などの許可基準をクリアしなければならない。基準をクリアしなければ、時間外労働となり総労働時間などに影響し、病院運営に大きな支障をもたらす恐れもある。

 

 例えば宿日直の回数は、宿直が週1回、日直は月1回を限度ということが許可基準として規定されている。これを厳格に適用すると、アルバイトとして他病院に宿日直する大学病院の医師の時間外労働が増えることになり、アルバイトを受けない大学病院の増加が心配される。相澤会長は「かっちりその通り当てはめると、ほぼ救急医療と産科医療は崩壊する」と危機感を示した。許可基準の見直しへの言及は避けたが、解釈の幅についてはこだわりを見せた。

 

 相澤会長によると、救急車が週2台確実に来ることを「定期的」と見なされ、宿日直を許可されなかった救急病院もあるという。相澤会長は、事例を集めながら、どういったケースで許可されるのかを各病院に認知してもらうことが大事とした。

 

 

出典:医療介護CBニュース

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