2018.07.24
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ベンチマーク使った薬の値引き交渉は安定供給を阻害
厚労省がQ&A、流通改善に向けて

メディカルサポネット 編集部からのコメント

医療機関の多くがコスト削減に力を入れています。ただし、医薬品の価値を無視した値引き交渉は、安定供給に支障をきたしてしまいます。厚生労働省は「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」を公表し、警鐘を鳴らしています。

 

 医薬品の流通改善につなげるため、厚生労働省は関連のガイドライン(GL)についての質疑応答集(Q&A)を関係団体に出した。GLに記載されている「医薬品の価値を無視した過大な値引き交渉」に関しては、「未妥結・仮納入を助長しかねない全国一律のベンチマークを用いた値引き交渉」と説明。こうした折衝は「医薬品の安定供給を阻害する」ことから、行わないよう求めている。【松村秀士】

 

 

 医薬品の流通改善をめぐっては、厚労省が1月、「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」(4月1日から適用)を公表。医薬品卸や医療機関、薬局が留意すべきこととして、▽早期妥結と単品単価契約の推進▽頻繁な価格交渉の改善▽医薬品の価値を無視した過大値引き交渉―を挙げていた。

 

 Q&Aでは、単品単価契約を進めるための取り組みとして、個々の医薬品の単価が掲載された覚書による契約や、年間といった長期の契約を結ぶことが効果的だと強調している。

 

 また、未妥結減算制度の報告対象期間(4―9月)だけ単品単価契約をし、それ以降は総価契約を結ぶことについては、同制度の「趣旨に反する」と指摘。交渉が煩雑化して医薬品の安定供給に支障を来す場合もあるため、そのような締結をしないよう呼び掛けている。

 

 出典:医療介護CBニュース

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