2021.07.14
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オンライン診療や外来機能の明確化・連携で議論―中医協総会

メディカルサポネット 編集部からのコメント

7月7日に開かれた中央社会保険医療協議会総会では、2022年度診療報酬改定に向けた一巡目の議論の他、オンライン診療や外来機能の明確化・連携についての議論も行われました。オンライン診療については現在、初診からの実施解禁に向けた検討が進んでいますが、診療側はこの日の議論で、今後も対面診療を原則とする考えを変えるべきではないと強調しており、初診をオンラインで行った場合も、その後の診療では対面との組み合わせを必須とするべきだと主張しています。
また、支払側からはかかりつけ医機能を評価する既存の報酬にについて抜本的な再構築が主張され、これに対して診療側は、現在の評価体系はかかりつけ医の基本的な機能を担保した上で、それぞれの医師が担う追加的な機能を診療報酬で評価する仕組みになっていると反論しました。

 

7月7日に開かれた中央社会保険医療協議会総会では、オンライン診療や外来機能の明確化・連携についての議論も行われた。オンライン診療については現在、初診からの実施解禁に向けた検討が進んでいるが、診療側はこの日の議論で、今後も対面診療を原則とする考えを変えるべきではないと強調。初診をオンラインで行った場合も、その後の診療では対面との組み合わせを必須とするべきだと主張した。

 

厚生労働省は2022年度診療報酬改定における外来の論点として、▶オンライン診療を安全性・信頼性を担保しながら推進していく観点から、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の見直しを踏まえ、診療報酬上の取扱いも含めて実施に向けた取組を進めることになるが、その際に考慮することとされている対面診療との関係等について、どのように考えるか、▶中長期的に地域の医療提供体制が人口減少や高齢化等に直面する中、外来機能の明確化・連携や、かかりつけ医機能の強化等を推進し、患者にとって安心・安全で質の高い外来医療の提供を実現するための診療報酬のあり方について、どのように考えるか―の2項目を示した。

 

■オンライン初診後は対面診療との組み合わせの必須化を―診療側

このうち初診からのオンライン診療について、診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、かかりつけ医以外が行う場合は、かかりつけ医から提供された診療録や診療情報提供書などに基づいて、医学的に可能と判断されたケースに限定すべきだと指摘。さらに、オンライン初診後の診療について、「対面診療との適切な組み合わせで提供されるべきで、オンラインだけで完結することはあり得ない」と釘を刺した。一方、支払側の安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、「オンライン診療ができることで救われる患者、忙しい時に時間をかけずに受診できる患者がたくさんいる。患者のためにできるだけ門戸を狭めないで欲しい」と述べた。

 

■かかりつけ医機能の評価体系の抜本的見直しを―支払側

外来機能の明確化・連携では、幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)が、「地域包括診療料」や「機能強化加算」など、かかりつけ医機能を評価する既存の報酬について、かかりつけ医を選択する患者から見てわかりやすいものにする観点から、「抜本的に再構築するべきだ」と主張した。これに対して城守委員は、現在の評価体系は、なんでも相談できる、専門医への紹介といった、かかりつけ医の基本的な機能を担保した上で、それぞれの医師が担う追加的な機能を診療報酬で評価する仕組みになっていると反論。どの医師がかかりつけ医機能を担っているかという国民への情報提供は、地域の医療情報ネットで行えばいいのではないかと整理した。

  

 

 

出典:Web医事新報

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