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出展の6割がIT関係、3日間で8万人が来場 国際モダンホスピタルショウ2018 テクノロジーが映し出す変わりゆく医療の今と未来~メディカルIT最新事情~ 快適な職場環境づくり
メディカルサポネット 編集部からのコメント日本病院会などが主催する「国際モダンホスピタルショウ2018」が東京ビッグサイトで開催されました。看護ゾーン、医療機器ゾーンなど6つのテーマで構成され、オンライン診療システムや、AIを活用したチャット形式の検索ツールなど、テクノロジーと医療現場の新しいスタイルが紹介。8万人の来場者が320にのぼる最新情報の出展社と交流しました。 |
日本病院会などが主催する「国際モダンホスピタルショウ2018」が11-13日に東京ビッグサイトで行われた。今回は「健康・医療・福祉の未来をひらく~世代と国境を越えた豊かな共生を目指して~」をテーマに、医療連携を支援するクラウド型システムを運営する企業やメーカーなど320社が出展した。会期中の来場者数は8万121人で、目標の8万人を上回った。【齋藤栄子】
国際モダンホスピタルショウ2018(東京ビッグサイト)
会場は、看護ゾーン、医療機器ゾーンなど6つのテーマで構成された。医療情報システムゾーンが188社による139小間の出展で、全体の6割近くを占めた。主催者企画展示では、ITを活用した製品やサービスを集めた「テクノロジーが映し出す変わりゆく医療の今と未来~メディカルIT最新事情~」と、「快適な職場環境づくりのために」の2つが開催された。
「IT最新事情」の展示では国内外の企業、団体により7小間が設置された。このうち、オンライン診療システム「遠隔診療ポケットドクター」を販売するMRT(東京都渋谷区)は、17年から本格的に販売を開始し、現在は約500の病院、クリニックで導入されている。スマホから診療予約をして、テレビ電話で顔色や患部の状態を確認したり、オンラインで支払いの決済をしたりすることができる。健康管理アプリと連携しているので、バイタルデータを医師が確認することも可能だ。
「遠隔診療ポケットドクター」展示
医療情報システムゾーンに出展した島津製作所(本社・京都市中京区)グループ3社は、「バイタルデータターミナル」を前面に押し出した。同製品は、体温や血圧、確認した看護師の社員証から名前を読み取るなど、遠隔で情報を取り込むNFC(近距離無線通信技術)を用いたシステムで、ナースカート一体型と、取り付けタイプがある。患者情報もリストバンド内蔵の「ビーコンタグ」を検知するので、ナースカートを近づけるだけで、手入力せずにデータを収集できる。オプションで電子カルテとの連携も可能。京都大医学部附属病院では、特注の壁付けタイプ1100台を導入したという。
島津製作所はこのほかにも、AIを活用したチャット形式の検索ツール「AI ChatBot(チャットボット) for Medical」を打ち出した。インターネット検索では質問を入力する時の表記によって結果が異なるが、「チャットボット」はAIが考えて調べるので表記の揺らぎに影響を受けない。院内感染防止マニュアルなど、欠かせない情報を取り込むことができるので、資料のページをめくる手間もなくなるという。現在、問診サポートシステムも開発中。初診患者自身がAI内蔵のタッチパネルで質問に答えていくと、どの診療科を受診すればよいのか示されるという。19年の発売に向けて、現在はAIの学習を進めている。
19年発売予定の問診サポートシステム
このほかにも、ニッセイ情報テクノロジー(東京都大田区)の「メディサイナス」では、電子カルテと連動させることで、病床の稼働率や患者ごとのDPC入院期間に対するステータス表示、10日先までの病床の稼働状況などを、一覧で「見える化」できるシステムを紹介するなど、医療機関のIT最新情報が分かるイベントとなった。
出典:医療介護CBニュース