2021.01.21
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コロナ対応応じない医療機関の即公表「容認できず」
日医・中川会長が表明

メディカルサポネット 編集部からのコメント

日本医師会の中川俊男会長は、新型コロナウイルス感染症などに対応する特別措置法などの改正案について、全体として評価する姿勢を示しました。しかし、新型コロナウイルス感染患者の受け入れ勧告に対し、従わない医療機関を公表できるという規定については「容認することはできない」としました。中小病院の多くは、ハード面・ソフト面で新型コロナへの対応が難しいと説明し、当面は現行通り「協力要請し、正当な理由なく応じない場合には勧告を行い、勧告にも理由なく応じない場合には公表するという丁寧な仕組みになる見通し」であるとしました。

 

 

 日本医師会(日医)の中川俊男会長は20日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症に関する見解を表明した。新型コロナウイルス感染症などに対応する特別措置法(「新型インフルエンザ等特別措置法」、以下・特措法)などの改正案について、全体として評価する姿勢を示した上で、感染症法改正案に盛り込まれる予定の都道府県知事らによる新型コロナウイルス感染患者の受け入れ勧告に対し、正当な理由なく従わない医療機関を公表できるという規定については「容認することはできない」と断じた。【吉木ちひろ】

 

 

 政府が今通常国会での成立を目指す特措法などの改正案に、国や地方自治体の役割・権限の強化が盛り込まれている点について、中川会長は、「着実な取り組みを推進するために評価する」とした。ただし、入院措置の実効性を高めるための罰則規定については、「私権制約を伴う措置も含むので、丁寧な説明の上で従わない悪質な場合にのみ適用するもので謙抑的に運営すべきである」との立場を表明した。

 

 また、感染症法に基づく医療関係者への協力要請について、「要請」を「勧告」に見直した上で、正当な理由がなく勧告に従わない場合は都道府県知事などがその旨を公表できるようにする規定については、「医療の現場に大変な衝撃を与えた」と強調。「いきなり勧告がなされ、それに従わない場合はその旨を公表するという仕組みは容認することはできない」とした。

 

 中川会長はこの規定について、田村憲久厚生労働相や同省の健康局長に既に連絡を取り、「中小病院の多くは、設備や機器、ゾーニングなどのハード面、専門的な人材が不十分であることなどのソフト面で、新型コロナへの対応が難しい」ことなどを訴えたと説明。その結果として、当面は現行通り「協力要請し、正当な理由なく応じない場合には勧告を行い、勧告に正当な理由なく応じない場合には、公表するという丁寧な仕組みになる見通し」であるとした。

 

 

出典:医療介護CBニュース

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