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2020.11.10
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在宅・介護保険領域で特定看護師の活用推進を
日本慢性期医療協会が提言

メディカルサポネット 編集部からのコメント

特定行為(診療の補助)に係る研修制度を修了し、医師が作成した手順書に従って単独で、定められている医療行為が行える特定看護師の、在宅・介護保険領域での活用について、日本慢性期医療協会が提言しました。武久洋三会長は「医師が十分いない機関において特に特定看護師は有用」などと主張し、介護報酬上で何らかのインセンティブを付与して特定看護師の活用を促すことなども日慢協として求めていきたいとしています。

 

 日本慢性期医療協会(日慢協)は、特定行為(診療の補助)に係る研修制度を修了した看護師(以下、特定看護師)の活用について、6日の定例記者会見で提言した。会見では、日慢協として実施した研修修了者へのアンケート結果や役員の病院での特定看護師の活用状況を紹介。武久洋三会長が「医師が十分いない機関において特に特定看護師は有用」などと主張した。急性期病院で新卒として勤めた看護師が結婚や出産を終えた後のキャリアプランとして、特定行為の研修を受け、在宅医療や介護保険領域での活用の幅を広げられるよう日慢協として提言している。【吉木ちひろ】

 

日慢協のオンライン会見の様子(下段が武久会長)

 

 特定看護師には、高度で専門的な知識や技能が特に必要として定められている38の医療行為について、医師が作成した手順書に従って単独で実施することが認められている。看護師自身が患者の状態を見極めてタイムリーな対応を行うことや、効率的な医療提供に寄与することが期待されている一方で、現場への浸透が不十分なことなどから、十分な運用ができていないことなどが指摘されている。研修の修了者は2020年7月時点で2,646人。

 

 武久会長は、この制度が「在宅医療等の推進を図っていく」ために創設されたものでありながら、研修修了者のうち在宅領域で就業する特定看護師は19年10月時点で約7%にとどまること(厚生労働省が10月に公表した「特定行為に係る手順書例集・在宅領域版」より)などについて、課題感を持っていることを示した。その際、領域別パッケージ研修に認められる6領域のうち5領域が主に急性期を想定したものであることや、20年度の診療報酬改定でも「総合入院体制加算」の施設基準に特定看護師の複数名配置が盛り込まれるなどの近年の活用推進策が「いずれも急性期医療の分野」であることも指摘した。

 

 これに続いて矢野諭副会長は、協会の会員病院が実施した特定行為に関する研修の修了者を対象としたアンケート(20年7月に実施し、対象222人中98人が回答)の結果について説明した。それによると、修了者が所属している施設の内訳は「病院」が85.1%、「特養・老健」が6.3%、「訪問看護」が4.5%、「診療所」が2.7%などの順で多かった。

 20年4月から7月までの間の特定行為の実施状況については、「気管カニューレの交換」(56.1%)、「中心静脈カテーテルの抜去」(53.7%)、「褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去」(50.0%)で半数以上となっていた。「末梢留置型中心注射用カテーテル(PICCの挿入)」(48.9%)も「急増してきている」という。

 

 

 日慢協が会見時に示した資料より

 

 さらに矢野副会長は、修了者の24.5%が実施している「陰圧閉鎖療法」について、「特定行為研修が始まるまでは、全く慢性期の現場では導入されていなかった治療」と説明。研修を機に普及が進み、「かなり褥瘡の治癒率の向上に貢献」していることなど制度の有用性を強調した。なお、「特定行為が実施されていない理由としては、『対象患者がいない』がほとんどを占めていた」という。しかし、研修修了者からは特定行為の実施の有無にかかわらず、「知識を生かして地域医療連携業務を担っている」「委員会(褥瘡評価、感染対策、医療安全)活動に生かしている」といった形で資格を活用しているという意見もあったという。

 

 一方で、課題としては依然、「周辺の診療所医師への浸透が不十分」であることや、介護施設や在宅領域で働く特定看護師の場合は、医師が「そばで仕事をしているわけではないので、力量を把握できないことへの不安」を抱いていることがうかがえたことから、日本医師会との連携強化についても必要性を感じていると述べた。

 

 このほかに、武久会長は、訪問看護や介護保険領域で「この特定看護師が活躍できる素地が非常に大きい」とも述べ、介護報酬上で何らかのインセンティブを付与して特定看護師の活用を促すことなども日慢協として求めていきたいとした。

 

 

出典:医療介護CBニュース

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