2018.04.19
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勤務医の“時短”の取り組み、
約5割「できない」~全自病調査

メディカルサポネット 編集部からのコメント

全国自治体病院協議会(全自病)の調査結果で、医師の労働時間短縮に向けた取り組みについて、自治体病院246施設の約5割が実施できないことが、明らかになりました。医師や看護師らの宿日直の許可基準の見直しや、応召義務と時間外労働規制との関係の整理などが求められます。

 

   

(全自病の調査結果を基に作成)

   

病院ごとの状況に応じた医師の労働時間短縮(時短)に向けた取り組みについて、自治体病院246施設の約5割が実施できないことが、全国自治体病院協議会(全自病)の調査結果で明らかになった。「実施できない」と回答した病院からは、「1、2人体制の診療科が多く、2次医療圏内に救急医療を実施できる医療機関が当院以外にない」といった指摘が出ており、医師の働き方改革の課題が浮き彫りになった。【松村秀士】

 

厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」が2月27日にまとめた「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」では、医療機関が自主的に実施すべき緊急的な取り組みの1つに、医療機関の状況に応じた医師の時短に向けた取り組みを挙げた。その上で、▽勤務時間外に緊急でない患者の病状説明などの対応を行わない▽当直明けの勤務負担を緩和する▽勤務間インターバルや完全休日を設定する▽複数主治医制を導入する―ことを求めている。

 

全自病は2月28日から3月31日にかけて、医師の時短に関するアンケート調査を会員病院に実施。246施設から回答を得た。

 

医療機関の状況に応じた医師の時短への取り組みが「実施できない」と答えた病院は、全体の48.4%(119施設)を占めた。実施できないと回答した病院からは、当直明けの問題や勤務間インターバルの設定について、「診療科間の状況が違いすぎるなど、一律の適用が難しい」「医師数が少ない上に当直や日直が可能な医師が減少しているため、(当直などに)個人差が生じている」などの意見が出た。

 

全自病では、各医療機関が医師の時短への取り組みを進める上での課題として、医師や看護師らの宿日直の許可基準の見直しや、応召義務と時間外労働規制との関係の整理などを挙げている。

 

出典:医療介護CBニュース

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