2019.08.30
3

医師偏在対策、シーリング以外の方法を検討へ―日本専門医機構

メディカルサポネット 編集部からのコメント

医師の偏在問題を解消する仕組みとして、専攻医数の上限(シーリング)が設けられてきましたが、日本専門医機構が9基本領域学会からヒアリングを行ったところ、シーリングがかかっていなくても専攻医が増えない科があることを踏まえ、シーリング以外で地域偏在や診療科偏在を解決する新たな策の必要性を訴えました。9月中に残りの9学会から聞き取りを行い、年内にもシーリングに関する考え方をまとめる予定です。

    

日本専門医機構は8月26日に記者会見を開き、寺本民生理事長が、2021年度専攻医募集のシーリング(採用数上限)の精緻化を目的に設置した協議会で、シーリング以外で地域偏在や診療科偏在を解決する方法の提案を求めたことを明らかにした。

 

協議会は8月に設置し、これまでに9基本領域学会からヒアリングを行ったという。寺本氏は、「産婦人科、外科など、シーリングがかかっていなくても(専攻医が)一向に増えない中で、地域偏在が起こってくる診療科がある」と問題視。こうしたことから協議会では、各診療科が抱える課題と同時に、シーリング以外で地域偏在や診療科偏在を解決する方法の提案を求めたとした。寺本氏は、「具体的なものはまだ見えてこないが、我々としてもシーリングに代わる策をできるだけ考えていきたい」と、検討に前向きな姿勢を見せた。

 

残りの9基本領域学会のヒアリングは、9月中に実施予定だとした。その後、自治体などへの聴取や全体会議を行い、年内にも議論をとりまとめたいとしている。

  

医師偏在問題解消に向け、新たな策の検討に意欲を示す寺本氏

医師偏在問題解消に向け、新たな策の検討に意欲を示す寺本氏

       

 出典:Web医事新報

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP