2021.04.06
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LINEを使ったかかりつけ薬局化支援サービス「あなたのかかりつけ薬局」

【医療テックPlus】第15回/株式会社ファーマシフト

【 医療テックPlus+】第6回 「腰用パワードウェア『ATOUN MODEL Y』」 株式会社ATOUN

 

 

編集部より

株式会社メディカルシステムネットワークと株式会社オプトの合弁会社である株式会社ファーマシフトは、このほどLINEを使ったかかりつけ薬局化支援サービス「あなたのかかりつけ薬局」をリリースしました。1つの公式アカウントの中に複数の薬局が入ることで、法人の枠を超えて患者情報を一元化し、服薬フォローやオンライン服薬指導などにも対応します。「LINEという国民的ツールの利点を生かし、多くの患者さんに使っていただける手ごたえを感じています」と話す株式会社ファーマシフトの多湖健太郎代表取締役社長に、サービスの狙いや開発の経緯を伺いました。
 

取材・文/横井 かずえ

撮影/山本 未紗子(株式会社BrightEN photo)

編集/吉井 光洋(薬剤師/メディカルサポネット編集部)

 株式会社ファーマシフト代表取締役社長 多湖健太郎氏 

株式会社ファーマシフト代表取締役社長 多湖健太郎氏

 

8600万人の利用者を誇るLINEでかかりつけ化をサポート

     

    ――かかりつけ薬局化支援サービス「あなたのかかりつけ薬局」はLINEを使って薬局と患者さんのコミュニケーションをサポートするサービスだそうですね。どのような特徴があるのですか?

     

    多湖健太郎さん(以下、多湖)最大の特徴は、およそ8600万人に上る利用者を抱えるLINEをツールとして使うことです。今まで薬局と患者さんのICTを活用したコミュニケーションツールには、電子お薬手帳が先行してありました。しかし残念なことに、電子お薬手帳はあまり普及していません。メディカルシステムネットワークが運営するなの花薬局でも電子お薬手帳を導入していますが、あまり利用が進んでいるとは言えない状況です。その点、LINEはすでに双方向のコミュニケーションツールとしてユーザーに認知されているため、多くの人に利用していただけると期待できます。

     

    もう1つの特徴は、1つの公式アカウントの中で、法人の枠を超えて様々な薬局が同居するというコンセプトです。これまでのシステムは、例えばA薬局はA薬局独自の電子お薬手帳、B薬局はB薬局独自の電子お薬手帳という風に、各社がそれぞれの仕組みを使うため、情報の分断が起きていました。かかりつけ薬局化支援サービスはこうした状況を改善し、患者中心・患者起点の仕組みを構築するためのものです。そのためには公式アカウントは1つである必要があります。

     

    今や国民的コミュニケーションツールとなったLINE。利用者は8600万人に登る

     今や国民的コミュニケーションツールとなったLINE。利用者は8600万人に登る

     

     

    ――どのような機能があるのですか?

      

    多湖今は「処方せん送信」「問診」「お薬履歴」「健康・お薬相談」です。お薬履歴は日本薬剤師会のe薬Linkとの接続が完了次第、お薬手帳という名称になります。健康・お薬相談のメニューでは、患者さんから相談を受けることもできますし、薬局側が投薬期間中のフォローアップに活用することもできます。また、今後1年以内をめどに「オンライン服薬指導」「オンライン決済」などにも対応していく予定です。

     

    テスト運用では患者さんから「子どもが錠剤を飲めないが、砕いてもよいか」「妊娠しているかもしれないが、この薬は飲んでも大丈夫か」などの質問がLINEメッセージで寄せられています。こうした疑問や不安はこれまでもあったはずですが、LINEによって相談のハードルが下がったのだと考えられます。また、個人情報を扱うため、セキュリティにも十分配慮しています。LINEのトーク画面上では直接個人情報を扱わない仕組みにすることで自社が情報管理に責任を持てる体制を構築し、日本国内のセキュリティに関するガイドラインをクリアするとともに、情報セキュリティの国際認証を取得しています。

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