2020.07.31
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主任のモチベーションを維持するために看護管理者ができること
~疲れて孤独?な主任を救え!~

そこが知りたい看護管理 vol.11

看護職が最初に就く管理職は「主任」という役職です。一般職から管理職への階段をのぼり、「主任さん、今いいですか?」などと現場では頼りにされる立場ではないでしょうか?「師長にはちょっと聞きづらいけど主任さんなら・・・」と、一般職看護師にとって身近な管理職ともいえます。しかし、スタッフでもなく、病棟全体の責任者でもない「主任」という立場は、モチベーションを維持しにくい傾向にあると森田さんは言います。悩める主任を救うのは師長・看護部長の大事なお仕事の1つです。今回はモチベーションの理論から、具体的な支援方法についてのお話です。

執筆/森田 夏代
編集・構成/メディカルサポネット編集部

そこが知りたい看護管理 森田夏代さん メディカルサポネット マイナビ 

  

◆多岐にわたる主任の仕事は板挟みと孤独?

研修先や病院内でよく耳にする師長・主任たちの言葉があります。

 

「うちの主任、燃え尽きちゃったみたいなんです。辞めたいと言い出して・・・」

「主任になって3年経ちますが、年々、辛くなってきて仕事が楽しくありません。転職して環境が変わったら違うでしょうか?」

「もう長いこと働いていますが、最近はモチベーションが維持できない感じがして・・・」

 

もう少し詳しく話を伺ってみると、毎年繰り返される新入職者教育を一手に背負い、数ヵ月間温かい目で見守り指導をしたり、みんなが働きやすくなるために師長や医師との調整をしたり、時には他部門や家族との間に入って調整をするなど、主任の仕事は多岐にわたり、明確な結論が出ないことも多いようです。そして、心理的には常に師長と一般看護師との「板挟み」状態で「孤独」を感じると話される方が多い印象です。このような話を伺うと私は「主任さんは、自分がやりたい看護ができない状況なのだな」と思います。

 

私も主任に昇格して辞令を受け取った時、上司から「主任は孤独な立ち位置だよ」と言われた記憶があります。果たして、主任は孤独な存在でモチベーションが維持できないのでしょうか? 今回は主任のモチベーションについて考えてみたいと思います。

 

     

◆主任のモチベーションはどこへ?

モチベーションは心理学用語の1つで、日本では1990年代からビジネスの世界で用いられるようになり、FIFAワールドカップフランス大会の頃から、一般的に使われるようになりました。

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