【実態調査】99%の病院が外国人患者に通訳料を請求せず
未収金は12.4%が経験

令和元年度 医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査結果(速報版)

2月28日、第7回訪日外国人旅行者等に対する医療の提供に関する検討会(持ち回り開催)が開かれ、「令和元年度 医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査」の結果(速報版)から、訪日外国人旅行者に対して診療費以外の追加的費用として通訳料を請求している病院の割合が、わずか1%程だったことがわかりました(医療通訳の費用は、自由診療だけでなく、社会保険診療でも患者に請求可能)。また、未収金の発生状況は、2019年の外国人患者受け入れ実績のある病院の12.4%が経験していました。
メディカルサポネット編集部では、同調査結果から外国人患者の受け入れ実績に関する部分を紹介します。

編集・構成/メディカルサポネット編集部

調査概要

調査目的医療機関の外国人患者受入能力向上のための基礎資料を得ること。医療機関の外国人に対する医療提供体制の現状を把握すること。<調査A> 医療機関における外国人受入体制の把握 (医療通訳および医療コーディネーターの配置状況、診療費請求方法 等)<調査B> 医療機関における外国人患者の受入実績の把握 (患者数、未収金発生件数 等)

調査対象全国全ての病院と沖縄県・京都府の診療所(歯科診療所を含む)<調査A>8,372機関(病院)<調査B>8,372機関(病院)

調査期間<調査A>2019年9月1日~年10月15日 <調査B>2019年9月1日~12月16日

調査方法都道府県から管下の医療機関へ調査の協力依頼がなされ、医療機関が厚生労働省のウェブサイトより調査票をダウンロードし、回答した調査票を電子的委託業者に送付。(未回答の医療機関に対しては2020年1~2月に追加の協力依頼を実施)

回収状況<調査A>回収数5,428、回収率64.8% <調査B>回収数4,534、回収率54.1%

    

1.外国人患者の受け入れ実績/拠点的医療機関の9割

外国人患者の受け入れ実績は2018年より微増し、全体の53%を占めました。都道府県の選出する拠点的な医療機関(以下、拠点的な医療機関)では、約8割で外国人患者の受け入れがあった。病院ごとの外国人患者数は、1カ月間で10人以下の病院が、昨年に続き最多でした。

 

                                                               (訪日外国人医療提供検討会)

 

   

2.医療機関向けマニュアル/認知度は6割

厚生労働省の「外国人患者の受入環境整備に関する研究」研究班は「外国人患者受入のための医療機関向けマニュアル」を作成していますが、医療機関向けマニュアルの認知度は約6割でした。そのうち内容を確認した医療機関は約7割。マニュアルの内容を確認していた医療機関のうち、医療機関の体制整備の基礎となる「外国人患者の受入れに関する体制整備方針」の決定を確認した医療機関は約9割に達しました。

  

 

                                               (訪日外国人医療提供検討会)

 

 

3.診療価格と医療通訳費用/請求している病院は約1%

訪日外国人旅行者に対して、診療費以外の追加的費用として、通訳料を請求している病院の割合は、わずか1%程度でした。通訳料を請求している病院の割合は、JMIPもしくはJIH取得病院に限ると21.7%、拠点的な医療機関に限ると4.7%でした。  

                                  (訪日外国人医療提供検討会)

 

また、診療価格の決定方法は、昨年と同様ほぼ全ての病院が、診療報酬点数表を活用した倍数計算(いわゆる1点=○〇円として換算すること)を行っていました。9割の病院は1点あたり10円(もしくは11円)としていました。外国人患者の受入れが多いJMIP外国人患者受入れ医療機関)もしくはJIH登録医療機関(渡航受診者の受け入れに意欲と取り組みのある病院)は、3割の病院が1点あたり10円とし、6割の病院が1点あたり20円以上で請求していました。拠点的な医療機関でも、 全体より1点10円以上の価格設定をしている医療機関が多い傾向が見られました。

  

                                                   (訪日外国人医療提供検討会)

  

4.未収金の発生状況/12.4%が経験

この調査では、未収金を「請求日より1カ月たっても、診療費を全額が払われていないこと」としています。2019年10月1日~31日に外国人患者の受入実績のある2,402 病院のうち、12.4%にあたる298病院が、外国人患者による未収金を経験していました。未収金があった病院のうち、病院あたりの未収金の発生件数は平均5.8件(2018年6.7件)、総額は平均36.9万円(2018年43.3万円)でした。

 

 

 

                                               (訪日外国人医療提供検討会)

  

【参照】令和元年度 医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査結果(速報版)

 

 

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