2023.01.11
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宮坂 健太朗さん(看護師+VRコンテンツ開発者)

+αで活躍する医療従事者 vol.11

+αで活躍する医療従事者 vol.4 久保 さやかさん(看護師・保健師+人材育成・組織開発コンサルタント)

  

編集部より

医療従事者の中には「+α」の技能を生かしながら病院以外の多彩なフィールドで活躍する人も少なくありません。こうした人たちは、どのような経緯で「+α」を学び、仕事に生かしているのでしょうか。今回は、回復期病棟の看護師から医療システムベンダーのSE(システムエンジニア)に転身し、さらに個人の立場でVR(バーチャル・リアリティー)を活用した看護教育のコンテンツ開発に取り組んでいる宮坂健太朗さんにお話を伺います。

   

取材・文/中澤 仁美(ナレッジリング)

撮影/和知 明(株式会社BrightEN photo)

編集/メディカルサポネット編集部

 

 

+αで活躍する医療従事者 vol.11 宮坂健太朗

プロフィール

宮坂 健太朗(みやさか けんたろう)
長野県出身。昭和大学保健医療学部看護学科卒業(看護師・保健師資格取得)。昭和大学藤が丘病院(神奈川県横浜市)に入職し、回復期病棟で4年間の臨床経験を積む。その後、東証プライム市場上場会社(医療システムベンダー)に転職し、現在は事業戦略室でSEとして活躍。さらに、個人の立場として「VR看護 マルチタスクトレーニング」の開発に取り組んでいる。

    

転職する看護師が真に求める教育とは?

――回復期病棟の看護師として臨床で活躍していた宮坂さんが、VRに着目したきっかけを教えてください。

   

「自分はあまり看護師に向いていないかもしれない……」。学生時代の実習のときから、そう感じていました。実際、実習の単位を取れずに留年してしまったのですが、このままではいけないと奮起し、大学の系列病院で看護助手としてアルバイトをすることに。認知症病棟で半年間ほど働くことができたので、その経験を買ってもらい、新卒時に入職した病院では回復期病棟に配属されました。先輩から「患者さんへの接し方がうまいね」と評価していただき、自分にマッチした職場に巡り合えたことがうれしかったです。

    

一方で、その後は回復期病棟で業務リーダーも任されるようになりましたが、緊急時対応などの経験値は増やせず不慣れなまま。「未経験の事態」を前に思考停止してしまうこともあるのに、私と後輩だけで夜勤を担当するような状況に不安を覚えるようになりました。

   

また、私の両親は長野県で暮らしているのですが、仮に体調を崩したら一人っ子である私が駆け付けなければなりません。ところが、実家の付近では回復期病棟で働く選択肢が非常に少なく、転職するならかなりの確率で急性期を選ばざるを得ないと気付きました。転職する看護師、特に異なる領域に挑戦する看護師が、再教育を受けられる機会がもっとあればいいのに……。そうした思いを抱いたとき、学生時代から注目していたVRが頭に浮かんだのです。もともとSFが好きで、バーチャル空間での教育に可能性を感じていました。

 

+αで活躍する医療従事者vol.11 宮坂健太朗

  

 

――中途採用の看護師に向けた教育について、どのような課題があると考えていますか。

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