2023.11.16
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看護主任の役割とは?向いてないと感じる瞬間や対処法

            

編集部より

現場で働く看護師と、看護師長の間に位置する看護主任。実際に看護主任の業務に携わってみると「想像以上に忙しい」「管理が行き届かない」などの不安や悩みから、自分が看護主任に向いてないと感じている人も少なくないようです。本記事では、10年以上看護師として勤めた木村さんが看護主任の役割や必要な素質、主任に向いてないと感じる瞬間について解説します。

   

執筆/木村 美穂 医療ライター(看護師資格保有)

編集/メディカルサポネット編集部

     

タブレットを操作する看護師  

               

1.看護主任の3つの役割

左手に聴診器を持ち右手人差し指をあげる看護師

      

看護主任は、師長の直属の部下であり、所属部署の看護師たちの上司にあたります。一般企業で例えると、中間管理職といえるでしょう。以下に看護主任の主な役割を3つ解説します。     

1:師長と看護師の仲介役

看護主任は、師長と看護師の間に位置し、現場の業務調整や相談役という役割を担います。現場の看護師から受けた要望や相談事などを師長に伝えたり、反対に師長からの指示を看護師に共有したりします。

例えば、看護師が抱える悩みや業務内容の疑問などを聞き、師長に共有後、他スタッフと共有したり、改善方法を考えたりします。業務改善の内容によっては、医師やリハビリスタッフなど他部署の協力を得なければならないこともあります。

師長から看護師、医師、リハビリスタッフなど、さまざまな立場のスタッフと円滑なやり取りが求められることから、看護主任にはコミュニケーション能力が重要だといえるでしょう。

2:病棟運営における管理業務

看護主任は師長とともに、病棟運営の管理業務も担当します。例えば、看護師の勤務表を作成する、もしくは師長が作成したものを確認するといった業務や、院内委員会・病棟係の采配などが挙げられます。

また、看護主任は業務の進行状況や、病棟内で困っていることがないか現場に入って確認しなければなりません。師長は病棟運営のほか、院内の他部署との連携などの業務があり、勤務中、病棟内にずっといるとは限らないためです。師長だけでは看護師一人ひとりのスキルや、業務上の困りごとなどの細かい部分は把握しきれないため、看護主任は現場を見て確認する役割があります。

業務に携わりながら、病棟の業務全体を把握するため、広い視野が必要といえるでしょう。

3:看護師の教育・指導

新人看護師にはプリセプターという専門の指導係がつきますが、経験がある看護師への教育や指導は、看護主任が担います。例えば、他の医療施設から看護師が転職してきた場合、前回の職場で学んできた内容や、技術面において未経験な分野があるかなど確認しなければなりません。加えて、現場の看護師が担当部署で働くうえで補っておくべき知識やスキルに関する研修への参加を促すといった役割もあります。

また、インシデントが発生したときは、なぜ起きてしまったのか、今後起こさないためにできる改善策を、病棟内の看護師間で共有できるようにカンファレンスを開き、進行役を担うこともあるでしょう。その他、院内で行われる看護研究の指導者として、看護研究を行う看護師のフォローを行う場合もあります。フォローの内容は多岐にわたり、研究内容の立案、実施、評価、資料の作成など、研究発表に関する様々なシーンで研究を行う看護師をフォローします。

     

2.看護主任に向いてないと感じる4つの瞬間

顎に手を置き何か悩んでいる看護師

    

看護主任は、現場での業務に加えて病棟管理にも携わるため、役職のない看護師と比べて業務量が多くなります。やりがいを感じられるポジションではありますが、さまざまな負担から、中には看護主任に向いてないと感じる人もいるようです。

   

日本看護協会が発表した「2021年看護職員実態調査」によると、職位・看護職としての就業継続意向を調査した結果、中間管理職(※)の回答は「とてもそう思う」30.5%、「ややそう思う」43.6%、「あまりそう思わない」13.4%、「全くそう思わない」1.8%と回答しています。

※本資料における中間管理職には、看護師長、副看護師長、看護主任、保健所・都道府県・市区町村の係長、学科長、教務主任等が含まれます。

    

アンケート結果を現わした円グラフ日本看護協会「2021年看護職員実態調査」P132 「職位・管理職としての就業継続意向」のアンケート結果をもとにグラフを作成

出典:日本看護協会「2021年看護職員実態調査」

   

職位の継続について、「あまりそう思わない」、「全くそう思わない」と回答する割合を合計すると、約15%に上ります。役職を得ることでキャリアアップや収入アップなどのメリットがあるはずです。にもかかわらず、なぜ、職位を継続したくないと思う人がいるのでしょうか? その理由の1つとして、自身が役職に「向いていない」と感じていることがあるからかもしれません。続けて、「看護主任に向いてない」と感じてしまう瞬間をご紹介します。

1.師長とスタッフの間に挟まれストレスを感じたとき

中間管理職である看護主任は、師長と看護師の間に挟まれて、

  

  

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