2019.04.03
3

風疹患者、海外感染の「輸入症例」が倍増
国立感染症研究所集計、国内の増加時期とほぼ一致

メディカルサポネット 編集部からのコメント

国立感染症研究所が4月1日付けで「日本の輸入感染症例の動向について」の情報を更新しました。風疹は平成23年から、海外で感染して帰国後発症する輸入例が散見されるようになり、平成30年には7月下旬頃から関東地方を中心に患者数の報告が増加しています。日本での風疹大流行を深刻な問題とし、「風疹が大流行しているため、渡航を考え直すように」と警告している国もあります。厚生労働省は、定期予防接種に対する積極的な接種勧奨を行うとともに、妊娠可能女性とその家族への予防接種の推奨、また産褥女性に対する風しん啓発を行っており、2020年度までに風しん排除の達成を目指しています。

    

 海外で感染し、帰国後に風疹と診断された「輸入症例」が増えていることが、国立感染症研究所が公表した動向調査の集計で分かった。2018年の「輸入症例」は前年と比べて2倍近くになっている。国内で風疹患者が増えた時期とほぼ一致しているため、「輸入症例」だけでなく、訪日外国人が国内の流行にどのような影響を及ぼしたのか検証することが求められそうだ。【新井哉】

 

 

 同研究所によると、18年の「輸入症例」は前年比13人増の28人で、2年連続で増加した。

 

 推定感染地の患者報告数(感染不明地域を除く)に関しては、韓国とフィリピン(共に4人)が最も多かった。中国(3人、香港を含む)、インドネシア、タイ(共に2人)、ベトナム、カンボジア、インド(いずれも1人)なども推定感染地とされており、8割超がアジアだった。

 

 18年の「輸入症例」を含めた国内の風疹患者報告数は2917人で、前年と比べて30倍超となっている。19年の患者報告数も18年を上回るペースで増えているため、「輸入症例」が国内の流行に与えた影響や、推定感染地から日本を訪れた外国人の健康状態や予防接種歴を正確に把握する方法などを検討していく必要がありそうだ。

 

 

 出典:医療介護CBニュース

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP