メディカルサポネット 編集部からのコメント国際的な共同研究プロジェクトによって、38種類のがん、2658症例の全ゲノム解読データを統合解析したと、国立がん研究センターが発表しました。ヒトゲノムの約99%を占める非遺伝子領域における新たな異常や、突然変異や染色体構造異常に見られる特徴的なパターンの解明など、ヒトがんゲノムの多様な全体像が詳細に解明されました。今後、日本人症例での全ゲノム解析なども行うことで、日本人に最適な臨床開発へ発展することが期待できます。 |
国立がん研究センター(国がん)は6日、国際的な共同研究プロジェクトによって、38種類のがん、2, 658症例のがん全ゲノム解読データを統合解析したと発表した。ヒトゲノムの約99%を占める「非コード領域」での新たなドライバー異常や、突然変異や染色体構造異常に見られる特徴的なパターンなどが明らかになった。国がんは、日本人の症例での全ゲノム解析なども行うことにより、日本人に最適な臨床開発へ発展することが期待できると指摘している。【松村秀士】
国がんによると、37カ国の研究者が参加した国際的ながん全ゲノム解析プロジェクトが研究した結果、がんゲノムには、「タンパク質コード領域」と「非コード領域」を合わせて平均で4-5個のドライバー変異が含まれていた。しかし、希少がんなど一部の症例の約5%では、ドライバー変異が特定されなかった。
また、TERプロモーターにおける「非コード領域」変異以外にも、がんを引き起こす「非コード領域」変異があることが分かったほか、スプライシングや発現レベル、融合遺伝子、プロモーター活性などの点で体細胞変異が転写にさまざまな影響を及ぼすことを、複数のがん種で解明した。
研究成果は6日(日本時間)、英科学誌「Nature」で6本の論文として発表された。
出典:医療介護CBニュース