2019.07.30
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1型糖尿病へのSGLT2阻害薬使用で注意喚起―日本糖尿病学会

メディカルサポネット 編集部からのコメント

2018年12月以降、一部のSGLT2阻害薬が成人1型糖尿病患者におけるインスリン製剤との併用療法として適応を取得しましたが、重症低血糖、ケトアシドーシス、脱水・脳梗塞等 、皮膚症状、尿路・性器感染症などについて、リスク増加が報告されています。日本糖尿病学会は、情報を広く共有することにより、副作用や有害事象が可能な限り防止され、適正使用が推進されるよう、SGLT2阻害薬の適正使用に関する Recommendation」をアップデートしました。

   

日本糖尿病学会は23日、「SGLT2阻害薬の適正使用に関する Recommendation」を改訂し、ウェブサイトに掲載した(http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/recommendation_SGLT2.pdf)。ケトアシドーシスのリスクを踏まえ、1型糖尿病患者への使用に関して注意喚起している。

 

Recommendationの改訂は3年ぶり3回目。学会によると、2018年12月以降、一部のSGLT2阻害薬(商品名:スーグラ、フォシーガ)が成人1型糖尿病患者におけるインスリン製剤との併用療法として適応を取得したが、ケトアシドーシスのリスク増加が報告されている。また海外では、成人1型糖尿病への適応申請に対し、欧州医薬品庁(EMA)がBMI 27kg/m2以上に限定して承認したほか、米食品医薬品局(FDA)では承認が見送られた。

 

そのため、同学会は「こうした事実を重く受け止め、1型糖尿病患者への使用に際しては、十分な注意と対策が必要」として改訂した。

 

Recommendationでは1型糖尿病患者の使用に際し、「一定のリスクが伴うことを十分に認識すべきであり、使用する場合は、十分に臨床経験を積んだ専門医の指導のもと、患者自身が適切かつ積極的にインスリン治療に取り組んでおり、それでも血糖コントロールが不十分な場合にのみ使用を検討すべきである」と強調するなどして、適正使用を注意喚起している。

 

           

 出典:Web医事新報

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