2019.04.26
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優生手術を受けた障害者の救済法が成立

メディカルサポネット 編集部からのコメント

1948年に施行された旧優生保護法。96年に「母体保護法」に改正されて優生手術の規定が廃止されるまで、身体障害や知的障害、素行不良を理由に約2万5000人(主に未成年)が、本人の同意なしに不妊手術を受けさせられました。心身に多大な苦痛を受けた被害者は、基本的人権を侵害されたとして救済を求めてきました。このたび、4月24日の参議院本会議で救済法(議員立法)が成立しました。

 

旧優生保護法に基づき生殖を不能にする「優生手術」を受けた障害者らに対し、政府が一時金320万円を支給する救済法(議員立法)が24日の参議院本会議で、全会一致で可決、成立した。4月中にも施行される。安倍晋三首相と根本匠厚生労働相はそれぞれ、手術を受けた人々への「お詫び」を表明する談話を発表した。

 

救済法の対象となるのは、旧法が執行されていた1948年9月11日~96年9月25日の間に、本人が同意したケースを含め、遺伝性疾患や精神障害などを理由に優生手術または放射線の照射を受けた者。本人が手術等を受けるに至った経緯を記載した請求書を都道府県に提出し、医療、法律、障害福祉等の有識者で構成する厚労省の審査会で請求権が認定されれば、一時金が支給される。請求期限は救済法の施行から5年。

 

救済法の成立を受け、政府は安倍晋三首相による談話を発表した。旧法に基づき優生手術が執行されたことを「真摯に反省し、心から深くお詫び申し上げます」と陳謝。さらに「全ての国民が疾病や障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、政府として最大限の努力を尽くしてまいります」と表明した。

 

出典:日本医事新報社

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