早期退職、入職前辞退の理由と傾向

早期退職・入社前辞退の理由と傾向

【早期退職の定義】

入社後3ヶ月以内にご退職されたとお取引先からご報告を受けた退職

【ご注意】

本データは退職理由、入社前辞退理由をご本人の申告内容を元に作成しています。

また複数の理由を挙げられた場合であっても、主な理由の一つをあげて集計しております。

早期退職の理由

早期退職の理由として多いのが「人間関係」です。

次いで「体調不良」、「仕事についていけない」が続きます。

体調不良の原因の一部も含め、メンタル面を理由とする早期退職が多数を占めます。　

人間関係（21.9%）の理由内訳

人間関係が原因で早期退職するのは、退職者の21.9%です。

薬局の店舗などは一般的に少人数の職場環境が多いため、

ちょっとした人間関係のトラブルが原因で仕事に支障が出るケースもあるようです。

「同僚のネガティブ・トークが止まらない」

「ストレスをぶつける対象とされてしまった」

「必要以上に怒鳴られる」

「先輩から業務を押し付けられる」

「業務に対しての注意だけでなく人格否定までされてしまう」

・・・といったパワハラ、いじめ、陰口などの他、

「体育会系のノリについていけない」

など社風との相性を退職理由にあげた方もいらっしゃいます。

体調不良（18.7%）の詳細内訳

逃げ場がない、相談できる人がいない環境が状況を悪化させているケースが見受けられます。

残業続きなど激務が続く職場では、過労が原因で早期退職にいたる方が20.7%います。

また、長期のハードワークに、体だけでなく精神面も疲れてしまって、

自律神経失調症・鬱病・パニック障害・統合失調症・PTSD・うつ病など、

メンタルの発症・再発が原因で退職される方が全体の44.8%にもなります。

薬剤師の仕事は人命にかかわるため、大きなミスから立ち直るのに苦労する人も多いようです。

ついていけない（18.7%）の詳細内訳

新人薬剤師は毎日の業務が失敗の連続です。

プレッシャーを与えるタイプの先輩が毎日一緒だとダメージが大きく、さらに萎縮してしまいます。

新しく覚えることも多く、同僚の仕事スピードに圧倒されたまま職場を去るケースも聞きます。

「未経験の業態に転職したら仕事を教えてもらえないまま放置された」

「マニュアルがなく、教えてくれる人もいない」

「質問すると嫌がられる、怒られる」

「まだ未熟な状況のままシフトの関係で一人っきりになることもある」

……など、高いハードルがそびえる職場もあります。

退職理由のトップ３は常にループしている状況です。

新卒だったり別業種からの転職の場合、必要とされる情報の多さにスキル不足を感じることもあれば、

忙しさ・業務量で心身ともにすり減ってしまったり、前職とのギャップを感じることもあるようです。

また、結婚や出産などにより休職期間が長かった薬剤師が復帰するにあたり、

ブランク期間が長ければ長いほど、不安が大きいとの声もありました。

入社前辞退の理由

入社前に辞退をされる理由として「本人事情」が35.7%と最も多いのですが、

内訳は妊娠・転居・愛護・看病・育児など、早期退職のケースと大きな違いはありません。

 一方、入社前ならではの事態で目立つのが、「現職の慰留」の17.9%、「現職が原因を含む体調不良」の11.9%です。

本人事情（35.7%）の詳細内訳

「本人事情」の詳細として、ご自身の妊娠の他、育児や介護などの都合で辞退されるケースがあります。

薬剤師の多くが女性ということが顕著に表れています。

現職の慰留（17.9%）の詳細内容

入社前ならではの辞退理由で目立つのが、「現職の慰留」の17.9%です。

職員の留意の際、職場の配属面やシフト・残業について改善してくださる企業や病院もありますが、

強引な引き止めも見受けられます。

また、転職先からの入社前の連絡不足や対応の印象が悪い場合、

早期退職につながりやすい傾向にあります。

入社前辞退率が低い薬局や企業では、入社確定後の早いタイミングで入社者に連絡を入れ、

入社までの期間も定期的に連絡を取り、転職へのモチベーションを高める工夫をされています。

マイナビ薬剤師は、入社前に「ぜひ働きたい」と期待を膨らませるために、

転職活動を始められる時や、内定が出た際に、キャリアアドバイザーが「転職の心構え」を伝えています。

今後は、マイナビ薬剤師と入社先ご担当者様が連携し、入社までの定期的なフォローを行うことで、

入社意欲を高める必要があると考えています。

体調不良（11.9%）の詳細内訳

せっかく転職が決まったものの、骨折・腰痛・事故によるケガや、アトピー・がん・女性系疾患が発症したため、

入社前に辞退される方も一定数いらっしゃいます。

また、メンタルの不調が原因で入社を取りやめる方も見受けられます。

転職先決定後、他に行きたい就業先があるわけでもないのに入社を迷う方もいらっしゃいます。

全ての希望が100%かなう転職はそうそうありません。

「希望の優先順位」を整理する必要があります。

また、家族や友人からの意見に心ゆらぐケースもあります。

入社先についての「情報」が少ないと不安に心が折れてしまい入社前辞退や早期退職につながってしまいます。

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