2019.12.23
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看護師定着に向けたヒント② ~新規採用者への配慮と地域との関わり~

そこが知りたい看護管理 vol.4

看護管理者がどのような思いでスタッフをまとめ、組織を運営しているのか、管理職以外の看護師からはなかなか見えにくい面もあります。大きな責任を背負う一方で、やりがいも大きい看護管理者という仕事にどのように向き合っていけばいいのでしょうか。
本コラムでは、看護管理者として複数の病院を経験し、現在は大学院博士課程で転職者教育の研究を進める森田夏代さんが、自身の経験を踏まえ、皆さんの看護管理の「知りたかった」に応えます。
コラム第4回目は、前回に続き看護師定着に向けたヒントについてとりあげます。採用を決めた後も入職予定者への配慮を忘れず、気持ちよく当日を迎えるためのメッセージを伝えることで得られるメリットとは?

執筆・写真/森田 夏代
編集・構成/メディカルサポネット編集部

そこが知りたい看護管理 森田夏代さん メディカルサポネット マイナビ 

  

気が付けば12月も後半となりました。皆様の職場では忘年会やクリスマスの準備で慌しい毎日でしょうか。また、12月以降の冬の時期に院内研究発表会を企画されている職場も多いと思います。前回に続き、今回も看護師定着に向けたヒントを2点お伝えします。

 

◆新規採用看護師への関わり
~メッセージカードを送る・welcome message~

私が中小規模病院で採用担当をしていた時のことです。1月以降4月入職内定者(5月の連休明け入職まで)の方に、12月以降で3回連絡を取ることを心がけていました。その理由は、「看護部は、あなたが来てくれる(入職してくれる)のを楽しみに待っています」というメッセージを伝えるためでした。

 

1回目:12月にクリスマスカードを送る

まだ配属部署は決定していないので、各病棟・外来に均等に分担し、実際に勤務している看護師にカードを書いてもらい送りました。部署により寄せ書きだったり、指導者が書いたり、いろいろな工夫がされていました。中小規模病院は「勤務する職員の顔の見える組織である」特徴を生かして、職員皆で入職を待っているメッセージを送ることを意識していました。

 

2回目:年度末の時期に予定している院内看護研究会の案内状を送る

こちらは「時間があったら、遊びに来ませんか?」という気軽な案内にしていました。

 

3回目:入職に関する手続きの案内を事務からお送りする際、小さなメッセージカードを同封する

「笑顔で入職日にお会いしましょう」「引っ越しなどお忙しいと思いますが、お困りのことがありましたら、いつでもご連絡ください」等のひと言を記していました。3回目だけは、看護部長名としていました。

 

森田夏代さん アップルパイ マイナビ メディカルサポネット そこが知りたい看護管理

自宅のクリスマスデコレーション。今年のレイアウトはこんな仕様にしてみました。

 

◆メッセージがもたらす効果とは

新規採用では、一般に2月頃に事務から一方的に手続き書類(内定確認書や白衣注文・各種労務手続きや入職の案内など)が郵送されます。施設によっては入職日直前の1回だけのやり取りとなることもあるようです。その場合「私、本当に就職できるの? 受け入れられているの?」と不安になるという話を聞きます。一緒に働く看護師からメッセージを適度に伝えることは、安心につながるだけではなく、働いてみようという意欲にもつながる効果があります。人材紹介業者の調査では「採用内定通知以降、全く連絡がない」「面接時の印象」などの社風が原因となる内定辞退多いことが明らかになっています。

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