2019.11.26
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看護師定着に向けたヒント①~院内勉強会の組み立て方~

そこが知りたい看護管理 vol.3

そこが知りたい看護管理 森田夏代さん メディカルサポネット マイナビ 

  

編集部より

看護管理者がどのような思いでスタッフをまとめ、組織を運営しているのか、管理職以外の看護師からはなかなか見えにくい面もあります。大きな責任を背負う一方で、やりがいも大きい看護管理者という仕事にどのように向き合っていけばいいのでしょうか。

本コラムでは、看護管理者として複数の病院を経験し、現在は大学院博士課程で転職者教育の研究を進める森田夏代さんに、自身の経験を踏まえ、皆さんの看護管理の「知りたかった」に応えます。

コラム第3回目は、院内で開催する勉強会についてです。職員定着にもつながるきっかけにもなったという勉強会にこめられた森田さんの想いとは?

 

執筆・写真/森田 夏代

編集・構成/メディカルサポネット編集部

  

早いもので11月も終盤となりました。早い組織では、来年の計画を立案しだす頃でしょうか?

それとも、今年度もまた、こんなに看護師の退職者がいると頭を悩ませ始める時期でしょうか?

皆さんの病院では院内の看護部勉強会はどのように企画運営していますか?もちろん強制参加?参加できる人や興味ある人が参加する形でしょうか?忙しいから企画倒れでしょうか?

 

看護師が参加する院内研修会には、診療報酬上や組織規程で医療安全や接遇研修など年1回の開催や参加が義務付けられているものがあります。その他に、看護部独自で勉強会・研修会という名前で、日中に必須の研修を行ったり、夜間の時間外に研修を行っていると思います。今回は、この夜間や時間外で行う看護部勉強会が看護師の定着に結び付くヒントとなった例をご紹介します。 

  

◆病棟持ち回りの勉強会開催

私が200床規模の病院で人事・教育を担当していた時のことです。病院自体は看護師200名ほどの顔のみえる人数で、病棟数も4病棟プラス手術部門と外来部門という環境なのに・・・看護師同士の雰囲気が・・・気になりました。

「あの病棟に来た新人さん」「この前入職した夜勤しない人」「あの病棟、こんなこと起きたらしいよ」などの噂レベルの共有はあっても、看護について病棟の垣根を越えられない雰囲気を感じていました。

 

このため、10月の時点で、1年間の看護部勉強会の予定をすべて中止としました。その代わりに、病棟企画・看護師主催の勉強会を月1回ペースで開催することを提案しました。

12月は内科病棟・1月は手術室・2月は外来・・・という形で開催月を決めました。

  

私が提案した勉強会の条件は、以下のものでした。

テーマ:自由

講師:看護職なら誰でも自由

所要時間:60分

資料:自由(配布資料があってもなくてもOK・演技でも朗読でもOK)

その他:年間スケジュールなので中止は認めない

    (病棟が忙しいなら、管理者が調整して講師は勉強会に出るよう管理)

    看護師以外の講師を活用するなら30分は医師が担当し後半30分は看護師が担当

    例えば医師が疾患の講義をしたら、最後に医師から「看護師に望むこと」を必ず話してもらう

    

看護管理者には、「1年に1回しか順番は回ってこないので・・・看護師と十分に企画を検討して下さい」と伝えました。

また、「一般職の看護師に担当や講師を依頼できないなら、管理者が講師をして手本を見せて下さい」とも伝えました。 

開催月が決まっていれば、準備の時間は沢山あると思いませんか?

勉強会参加条件も、夜間の時間外の勉強会なので、参加自由・欠席してもレポートなどは課さないこととし、興味のある月に参加を呼びかけました。 

 

森田夏代さん お菓子教室 アップルパイ マイナビ メディカルサポネット そこが知りたい看護管理

趣味のお菓子教室で作ったアップルパイ。満足のいく仕上がりとなりました。

◆主体的な勉強会での発表内容とは?

  

病棟企画・看護師主催の勉強会でどのようなことが行われていたか、少し紹介します。

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