2020.02.28
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看護師定着に向けたヒント その3~看護師の働き方改革とお金のハナシ~

そこが知りたい看護管理 vol.6

看護管理者がどのような思いでスタッフをまとめ、組織を運営しているのか、管理職以外の看護師からはなかなか見えにくい面もあります。大きな責任を背負う一方で、やりがいも大きい看護管理者という仕事にどのように向き合っていけばいいのでしょうか。
本コラムでは、看護管理者として複数の病院を経験し、現在は大学院博士課程で転職者教育の研究を進める森田夏代さんが、自身の経験を踏まえ、皆さんの看護管理の「知りたかった」に応えます。
コラム第6回目は、好評いただいている看護師定着に向けたヒントシリーズ、その3をお届けします。看護界でも働き方改革が積極的に行われていますが、人材定着にはお金も必要です。看護管理者としていかに経営参画し、予算を確保するか、今回はそんなお話です。

執筆・写真/森田 夏代
編集・構成/メディカルサポネット編集部

そこが知りたい看護管理 森田夏代さん メディカルサポネット マイナビ 

  

バレンタインデーも終わり、巷では雛祭りの飾りが見られるようになったり、今年は河津桜もきれいに咲いているようです。院内では、来年度の委員会構成を始めたり、今年度のまとめを行ったりと慌ただしい時期ですね。今回は、看護師定着に向けて、看護部長が中心となり改善するにはどうしたらよいか、お話しします。

働き続けられる職場がもたらす看護師の定着

2019年4月の「働き方改革関連法」の施行により、勤務時間や年次有給休暇取得の義務化など、様々な規定が定められました。また、日本看護協会は2008年から看護師の勤務実態調査を実施し、「看護職の働き方モデルの構築」を公表し「看護職が生涯にわたって健康で安全に働き続けられる職場づくり」に取り組んでいます。

 

看護師定着については、ここ5年位の間に様々な工夫が行われるようになりました。2016年には「中小規模病院は比較的有給取得率が高く、保育環境が整っている」という、日本看護協会や官公庁の調査結果が報告されました。これにより、「中小規模病院は、大規模病院と比較して働き続けられる環境にある」という結論が示されたことになります。

 

具体的に働き続けられる環境として、以下のような工夫がされています。

①院内保育室等に子供と一緒に出勤し、勤務終了後に一緒に帰宅する

②毎週金曜日は夜間保育を行い、夜勤ができるように体制を整えている

 

同様に、法人組織に介護系のグループ施設などを持っている場合、看護職員が高齢の家族と一緒に出勤し、同じ施設内のデイサービスセンターで1日を過ごしてもらい、勤務終了後に一緒に帰宅できるようにして、介護退職を減らす努力をしている場合もあります。

 

また、短時間正社員制度や日勤常勤採用制度の導入など、多様な働き方によって職員を確保する努力をしている場合もあります。ここに挙げた以外にも顔のみえる組織である中小規模病院ならではの工夫が行われています。

 

看護管理 森田さん 2月画像

実家では毎年一刀彫のお雛様を飾っています

◆この組織で働き続けようと思う理由

あなたが今の職場で働き続けている理由は何でしょうか?

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