2019.03.04
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静注鉄剤「フェジン」の適正使用を周知―日医工

メディカルサポネット 編集部からのコメント

スポーツ選手にとって、ドーピングは致命傷になります。とはいえ、試合結果が進路や仕事に影響するプレッシャーの中で、医薬品の不適正な使用を行ってしまう選手が後を絶ちません。医薬品は病気の治療には欠かせないものですが、重篤な健康被害を引き起こすリスクも伴います。選手の応援は大いに結構ですが、若者を見守る大人たちもスポーツマンシップを忘れることなく、正しい道に導きたいものです。

 

日医工は2月28日、鉄欠乏性貧血に用いる静注鉄剤「フェジン」について、医療関係者向けに適正使用の文書を発出した。文書では、鉄欠乏状態にない健康な患者への使用は禁忌であり、投与対象は「経口鉄剤の投与が困難または不適当な患者に限られている」と注意喚起。鉄過剰症による肝炎や心不全等の重大な健康被害を防ぐため、投与前に必要鉄量を算出し、定期的に血清フェリチン値などの血液検査の実施を求めている。また、長期投与が低リン血症による骨軟化症を招く可能性もあるとして、症状が現れた場合には投与を中止するよう求めている。

スポーツ競技者のパフォーマンスを上げる目的での投与など、不適切な使用事例が報告されていることを受けた対応。注射用鉄剤を巡っては、スポーツ庁と厚生労働省も1月に適正使用を求める通知を発出している。

 

 出典:Web医事新報

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