2018.11.15
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外国人患者受け入れ拠点医療機関、都道府県が選定
厚生労働省、検討会に基準案を提示

メディカルサポネット 編集部からのコメント

訪日外国人旅行者数の増大により、これまで想定や顕在化しなかった課題が明らかになりました。「訪日外国人に対する適切な医療等の確保に関するワーキンググループ」では、「訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策」がまとめられ、このたび「訪日外国人旅行者等に対する医療の提供に関する検討会」が開催されました。現在、情報が分散していてわかりにくいと言われている、訪日外国人旅行者等に対する医療の提供ですが、医療通訳者や医療コーディネーターの配置、院内案内表示の多言語化等を通じて、外国人患者受入れ体制が整備された医療機関の整備が進められます。

 

 厚生労働省は14日、「訪日外国人旅行者等に対する医療の提供に関する検討会」の初会合で、外国人患者を受け入れる拠点となる医療機関の基準案を示した。都道府県単位で重症例の受け入れが可能な医療機関については、「多言語対応が可能」といった要件を設けた。2018年度中に都道府県が拠点となる医療機関を選定し、厚労省に報告する見通しだ。【新井哉】

 

厚生労働省が外国人患者を受け入れる拠点となる医療機関の基準案を示した検討会(14日、東京都内)

 

 外国人を受け入れる医療機関への支援や認証などを巡っては、観光庁が訪日外国人旅行者を受け入れる医療機関のリストを作ったり、日本医療教育財団が医療機関を認証したりしているが、情報が一元化されておらず、「医療機関や地方自治体からは、分かりづらいという声が寄せられてきた」(厚労省)という。

 

 こうした状況を改善しようと、厚労省は、医療機関や地方自治体に加え、外国人患者や観光・宿泊業者、地域の住民などに対し、情報を分かりやすい形で提供する必要があると判断した。

 

 厚労省は、基準案に言語対応や診療科などに関する具体的な方向性を盛り込んだ。重症例の受け入れが可能な医療機関については、都道府県の医療計画における「二次以上の救急医療機関」を想定。言語の種類は医療機関の実情に合わせて設定し、▽医療通訳者▽電話通訳▽デバイス―などの形式は「問わない」とした。

 

 二次医療圏単位で軽症例の受け入れが可能な医療機関に関しては、対象となる医療圏として、▽東京オリンピック・パラリンピックの開催地を含む医療圏▽訪日外国人観光客が多い医療圏▽在留外国人が多い医療圏―などを挙げたほか、診療時間や診療科に関する制限は「設けない」といった方向性も示した。19年4月以降、拠点となる医療機関を公表する予定。

 

 

 出典:医療介護CBニュース

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