2018.08.28
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AIが健診・診療データを分析、発症予測も視野に 倉敷中央病院とNECが予防医療に活用

メディカルサポネット 編集部からのコメント

人間ドックや健康診断、さらには診察の結果をAIの活用によりさらに高精度で活用する取り組みが進められています。診察結果だけでなく、数年後までの検査値の予測や、シミュレーションを行うことで、受診者本人が積極的に健康問題に取り組むことが期待されます。高齢化が進む中、病気の治療だけでなく、予防医療に力を入れていく時代の到来です。

  

倉敷中央病院(岡山県倉敷市、1166床)とNECは22日、2019年6月にオープンする同病院付属の「予防医療プラザ」で、AIを活用した予防医療の取り組みを開始すると発表した。健康診断と診療のデータを組み合わせて分析し、両方のデータの関連性を検証することで、健診結果の予測だけでなく、発症の予測までも視野に入れた技術の検証を進める方針だ。【新井哉】

 

 

同病院では、総合保健管理センターを1987年に設立し、年間約3万8000人の人間ドックや各種健診を行っている。その一方で、近年の高齢化に伴い受診希望者は年々増加しており、予防医療の充実と受診体制の整備が必要となっていた。こうした状況を受け、同病院は総合保健管理センターを新築移転し、新たに「予防医療プラザ」を開設する。

 

今回の予防医療の取り組みで活用するのは、AIの「異種混合学習技術」と呼ばれるもので、人手では困難だった複雑な予測についても、多種多様なデータの中から精度の高い規則性を自動で発見し、高精度な結果を得ることができるという。

 

同病院とNECは、この技術を活用したソフトウエア「健診結果予測シミュレーション」を用いて、総合保健管理センターに蓄積されている過去5年間の約6万人分の健康診断データを分析し、健診結果の予測の精度向上に取り組む。

 

具体的には、体重や腹囲、血圧、糖代謝といった健康診断のデータに加え、運動や食事、飲酒といった生活習慣データを基に分析し、生活習慣病の判定に関係の深い検査値(体重、腹囲、HbA1c、空腹時血糖など9種類)を数年後まで予測する。また、「対象者が生活習慣を見直した際の将来的な検査値のシミュレーションを行うことで、対象者の行動変容を促すことが可能」としている。

 

 

 出典:医療介護CBニュース

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