2019.05.31
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医師の業務を「7%以上」効率化―厚労省、2040年見据え改革プラン

メディカルサポネット 編集部からのコメント

5月29日に「第2回2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」が開催され、2040年を展望した社会保障・働き方改革本部のとりまとめについて意見が交わされました。多様な就労・社会参加の環境整備や健康寿命の延伸を進めるとともに、医療・福祉サービス改革による生産性の向上を図り、給付と負担の見直し等による社会保障の持続可能性の確保を進めるため、厚生労働大臣を本部長とする2040年を展望した社会保障・働き方改革本部のとりまとめが行われました。医師の業務については、CT等による代替や他職種への移管が想定されています。

   

厚生労働省は29日、団塊ジュニア世代が高齢者になる2040年を見据えた「医療・福祉サービス改革プラン」と「健康寿命延伸プラン」を公表した。40年までの目標として、医療サービスの提供に関して、医師の業務については7%以上、医療従事者全体では5%以上の効率化を掲げた。健康寿命については40年までに男女とも75歳以上に延ばすとしている。近く策定される政府の『骨太方針2019』への反映を目指す。

 

改革プランは、同日に開かれた「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」(本部長=根本匠厚労相)で取りまとめられた。現役世代が急減し、労働力の制約が強まる中で、高齢者を含む「総就業者数の増加」と「より少ない人手でも回る医療・福祉の現場の実現」を目指すと謳っている。

 

医療・福祉サービスでは、単位時間当たりの生産性を高める目標を設定。医師の業務については、厚労省研究班が16年に10万人の勤務医を対象に行った勤務実態調査の結果を基に、ICT等による代替や他職種への移管が可能な業務時間が総労働時間の7.2%であると導き、「7%以上」の効率化を打ち出した。

 

医師のサービス提供の改善を測る指標(KPI)も検討することも盛り込んだ。入院医療では「1日平均新規入院患者数÷(病院の医師数×労働時間)」、外来医療では「診療所の外来患者数÷(診療所の医師数×労働時間)」で評価するとの考え方を提示している。

 

■予防・健康づくりに「ナッジ」活用

健康寿命については、40年までに16年比で男女とも3年以上延伸させ、男性75.14歳以上、女性77.79歳以上にすることを目指す。目標達成に向けては、適切な選択を自発的に採るよう誘導する「ナッジ理論」を採り入れ、健診・検診の受診勧奨など、予防と健康づくりにつながる取り組みを推進する。

 

 

「『骨太方針』『未来投資戦略』に必要な事項を盛り込み、制度改正や概算要求等で具体化を図りたい」と述べる根本厚労相

 出典:Web医事新報

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