2024.07.30
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かかりつけ医機能報告の制度設計等で議論の整理案を大筋了承―厚労省分科会

メディカルサポネット 編集部からのコメント

厚労省の分科会は、2025年4月施行の「かかりつけ医機能報告」制度の設計と運用について議論をまとめました。対象は特定機能病院と歯科以外の全ての病院と診療所で、日常診療や時間外診療、在宅医療などの機能を報告します。報告内容は医療機能情報提供制度と一体化し、毎年1〜3月に都道府県へ報告されます。報告内容は公表され、地域の医療機能充足状況の確認や協議の基礎資料として活用されます。国は自治体向けガイドラインを策定し、円滑な運営を支援します。

    

厚生労働省の「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会」は7月19日、議論の整理案を了承した。25年4月に施行されるかかりつけ医機能報告の制度設計や運用、国の支援のあり方などについて取りまとめたもので、字句修正の上、近く報告書として公表する。厚労省は今後、2024年度末までに関係省令・告示の改正、地域における協議の進め方などに関する自治体向けガイドラインの策定などを行う。

 

議論の整理案によると、かかりつけ医機能報告を行う対象医療機関は、特定機能病院と歯科を除くすべての病院、診療所。対象医療機関はまず、日常的な診療を総合的かつ継続的に提供する機能(1号機能)の報告を行う。報告事項は、(1)自院に、1号機能や2号機能で定められた「具体的な機能」を有することや「報告事項」を院内に掲示していることの有無、(2)かかりつけ医機能に関する研修を修了した医師の有無、総合診療専門医の有無、(3)17の診療領域ごとの一次診療の対応可能の有無、いずれかの診療領域について一次診療を行うことができること(一次診療を行うことができる疾患も報告する)、医療に関する患者からの相談に応じられること―の3事項。

 

これらの報告事項すべてを「可」と報告した医療機関(=「1号機能を有する医療機関」)だけが、2号機能(時間外診療や入退院時の支援、在宅医療、介護サービスとの連携)の報告を行う。

 

さらに1号機能、2号機能とは別に「その他の報告事項」として、(1)健診、予防接種、地域活動、研修医等への教育活動等、(2)1号機能及び2号機能の報告で「当該機能有り」と現時点でならない場合は、今後担う意向の有無―も報告する。

 

1号機能の報告事項のうち、(2)のかかりつけ医機能の研修については今後、厚生労働科学研究班で望ましい内容を整理した上で、報告対象になる研修を示す予定。また、今回は研修修了者の有無、総合診療専門医の有無の報告だけでよいとしたものの、施行後5年後を目途に、研修修了者がいること、または総合診療専門医がいることを報告することについて、改めて検討するとしている。

 

■かかりつけ医機能報告は医療機能情報提供制度と一体的に実施へ

 

これらの報告事項の多くは医療機能情報提供制度の項目としても位置付ける。都道府県への報告時期は毎年1〜3月とし、医療機能情報提供制度に基づく報告と一体的に実施できるようにする。このため、特定機能病院と歯科以外の医療機関すべてが、かかりつけ医機能報告を事実上行うことになる。

 

報告された内容は都道府県による確認を経て公表され、国民・患者の医療機関選択に役立てる。また、地域のかかりつけ医機能の充足状況を確認し、それを補う方策を検討するための基礎資料として、地域の協議の場でも活用する。協議の場の設置圏域は、協議テーマに応じて市町村や二次医療圏、都道府県というように重層的に設定することも念頭に、都道府県と市町村が調整して決定する。国は、自治体向けの「かかりつけ医機能の確保に関するガイドライン(仮称)」の策定などを通じて、協議の場の円滑な運営を支援する。

   

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出典:Web医事新報

 

 

 

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