2024.06.27
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医療機能情報提供制度の見直し案を提示―かかりつけ医機能報告で厚労省

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メディカルサポネット 編集部からのコメント

厚労省は6月21日の分科会で、かかりつけ医機能に関する見直し案と医師の研修具体案を提示しました。2024年4月から全国統一システム「ナビイ」が稼働し、医療機関の検索が容易になります。かかりつけ医機能報告は、日常診療や時間外診療などに関する情報を提供します。かかりつけ医機能報告の報告対象となる研修は座学と実地で構成され、選択制が提案されていますが、必修項目の設定を求める声もあり、意見が分かれています。

   

厚生労働省は6月21日の「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会」に、医療機能情報提供制度で提供される項目のうち、かかりつけ医機能に関連した見直し案や、かかりつけ医機能報告の対象となる医師の研修について具体案を提示した。

 

医療機能情報提供制度では2024年4月から、全都道府県の医療機関のデータを集約した全国統一システム(医療情報ネット「ナビイ」)が稼働している。これにより、都道府県を跨いだ医療機関の検索ができるようになり、利便性の向上が図られた。今後はかかりつけ医機能報告の創設に合わせ、関連する情報提供項目を追加することになっている。

 

かかりつけ医機能報告の報告事項は、(1)1号機能(発生頻度が高い疾患の日常的な診療等)、(2)2号機能(時間外診療や在宅医療等)、(3)現時点では有していない1号・2号機能を今後担う意向の有無―に大きく分けられる。厚労省は21日の分科会に(1)と(2)を医療機能情報提供制度の情報提供項目としても位置付けることを提案。「ナビイ」上に用語解説を載せ、かかりつけ医機能の内容や上手な医療のかかり方の国民・患者への周知に役立てる案も示した。

 

■研修は座学と実地で構成、医師の選択制にするかで意見割れる

 

一方、かかりつけ医機能報告の報告対象となる医師の研修についても、厚労省は骨子案を提示した。それによると、研修対象は新規開業を検討している勤務医や、地域の診療所や中小病院で診療を行っている医師など。研修の方法は座学研修(知識)と実地研修(経験)を組み合わせる。座学研修には、幅広い診療領域への対応や地域連携・多職種連携等に関する内容が含まれる。一方の実地研修には、在宅医療や幅広い診療領域の患者の診療等が内容に含まれる。いずれも医師自らが研修項目を選択して学ぶ「選択制」が想定されている。

 

今後、この研修の骨子は分科会で、具体的な研修項目やE-learningシステムを含む研修教材は厚生労働科学研究班でそれぞれ検討していく予定。また、研修の実施団体からの申請に基づき、厚労省が報告対象に該当する研修を示すとしている。

 

厚労省の骨子案に対し、保険者や患者団体の委員らは選択制に異論を唱え、必修とする研修項目の設定を要求。これに対し医療関係者の委員らは、かかりつけ医機能を担う医師数確保のためにも、絞り込みになるような制約を設けるべきではないと反論した。

 

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出典:Web医事新報

 

 

 

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