2018.08.21
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JTたばこ関連のテレビCM「ただちに中止を」
日本禁煙学会が麻生財務相に要望書

メディカルサポネット 編集部からのコメント

喫煙マナー啓発を除きテレビ・ラジオのCMが禁止されているたばこですが、火を使わない「加熱式たばこ」についての扱いが議論されています。加熱式タバコはタバコの葉に熱を加えてニコチンを発生させることで、火をつけるタバコに比べて有害物質が約9割低減する製品ですが、日本禁煙学会は、JTたばこ関連のテレビCMは「害がないように誤解させる手口」として放送中止を求める要望書を麻生太郎財務相に提出しました。

  

日本たばこ産業(JT)のテレビCMをただちに中止するよう指導を―。たばこによる健康被害・依存症の対策などに取り組んでいる日本禁煙学会(昨田学理事長)は、麻生太郎財務相に対し、JTのCMに関する要望書を提出した。同学会はJTの加熱式たばこと推察されるCMについて、「国際条約に違反し、国民を新しい脅威にさらしている」と主張している。【新井哉】

 

たばこに関するJTのテレビCM中止を求める要望書

 

 同学会は、CMの「火を使わないたばこ、煙の出ないたばこ、においがつかないたばこ。私たちJTの研究から新しいたばこが生まれ、吸う人と吸わない人の新しい関係が生まれていきます。製品も、マナーへ」といった表現を問題視している。

 

 こうした表現は、日本も締結している「たばこ規制枠組み条約」の13条(誤った印象を生じる恐れのある手段による広告、販売促進などの禁止)に抵触していると指摘。加熱式たばこは「実際に火を使わなくても蒸し焼きにしている」とし、煙やにおいがはっきりと認められるとしている。

 

 さらに、JTの表現は「害がないように誤解させる手口」とした上で、加熱式たばこは害を避けにくくなった製品で、化学物質過敏症の人などには「大変な脅威」になっていると指摘。また、カートリッジが従来の紙巻きたばこよりも小さいため、乳幼児の誤飲事故が多発しているという。

 

 JTの広告などをめぐっては、同学会が7月、毎日新聞社に対し、JTのロゴが付いた「充実の“ひととき”」と題したコラムの掲載を中止するよう求めていた。「紫煙をくゆらせながら」といった文言が盛り込まれた同社の松田喬和特別顧問のコラム(7月2日付)に関しては、紙面だけでなくウェブ版にもJTのロゴが使われていることを指摘。このようなコラムの掲載が条約違反であることなどを挙げ、「JTの商業的利益につながる全ての行為を速やかに中止すべき。新聞の有する自由と責任の名においても節度が求められる」としていた。

 

 

 出典:医療介護CBニュース

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