メディカルサポネット 編集部からのコメント家族や周囲の人にも迷惑をかけてしまうのがギャンブル依存症です。自力で治療・克服するのは、とても難しく、薬物治療・カウンセリング・自助グループへの参加など途切れのない体制整備が必要です。カジノを中核とする統合型リゾート(IR)開業を目指す大阪府と大阪市の共同部署のIR推進局は、ギャンブル依存症に関するリーフレットを作成しました。「依存症対策のトップランナー」を目指しています。 |
大阪府と大阪市の共同部署のIR推進局は、ギャンブル依存症に関するリーフレットを作成した。ギャンブルなどの依存症について、医療提供体制や相談支援体制が乏しく、必要な治療や支援を受けられない患者がいることを指摘し、「相談・治療・回復支援について途切れのない体制を整備する」などとしている。【新井哉】
大阪府・大阪市IR推進局が作成したギャンブルなどの依存症に関するリーフレット
推進局は、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の基本構想案の中間骨子を2017年8月に公表しており、「IR実現を機にカジノにとどまらず、他のギャンブル・遊技等に起因する依存症を含め、有効な対策を講じることで、ギャンブル等依存症を抑制することが可能」との見解を提示。依存症の治療拠点機関・専門医療機関に関しては、府が8施設、市が4施設をそれぞれ選定していた。
リーフレットでは、こうした専門医療機関などを整備している状況を取り上げている。例えば、依存症の防止・回復の対策に関しては、世界の先進事例に加え、大阪独自の対策をミックスした「総合的で途切れのない取り組み」を構築する方向性を示し、「依存症対策のトップランナー」を目指すとしている。
カジノを誘致することが想定されている大阪市湾岸部の人工島「夢洲」エリアでの対策も紹介。エリア全体で依存症者の行動情報を収集し、依存症予防対策の最先端の研究や開発を行いたい考えだ。
また、10年にIRを開業させたシンガポールの事例に触れ、▽国家依存症管理機構による治療とカウンセリングの実施▽本人や家族の申請に基づく入場規制▽カジノ広告の掲載・配布、プロモーションの禁止-などの対策を取り、依存症の有病率の減少につなげたことを説明。こうした先進事例を学び、「万全の対策」で臨む姿勢を示している。
出典:医療介護CBニュース