2019.04.18
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PT・OTの開業に「反対」、地域偏在と医療の質低下を懸念―四病協

メディカルサポネット 編集部からのコメント

現在のところ、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)だけによる訪問リハビリステーション開業は認められていません。訪問看護ステーションでは、介護専門職が看護職と一緒にリハビリを提供しています。しかし、地域によっては、訪問リハビリステーションの開業が求められています。今後、さまざまな可能性や影響について話し合われる見込みです。

 

四病院団体協議会(四病協)は17日、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)が供給過剰になっているとの推計を踏まえ、「今後も開業を認めるべきでない」との認識で一致した。同日に開かれた総合部会終了後の会見で、日本病院会の相澤孝夫会長が報告した。

  

現行法令では、理学療法・作業療法は医師の指示の下で提供する必要がある。PT・OTによる事業所の開設は、東日本大震災の復興特区の特例など一部の例外を除いて認められていない。厚生労働省が4月5日の「医療従事者の需給に関する検討会」の分科会に示した需給推計案では、PT・OTの供給数は現時点で需要数を上回っており、2040年頃には供給数が需要数の約1.5倍になるという結果が出ている。

  

会見で相澤氏は、医師と同様にPT・OTにも「地域偏在はあると思う」とした上で、「仮に開業を認めた場合、都市部への集中が起こって偏在が進む恐れがある。病院に勤務するPT・OTが減れば、質の高いリハビリの提供にも支障が出る」と述べ、病院団体として開業に反対する姿勢を確認したと説明した。

 

総合部会で出た意見について説明する日病の相澤会長

 

 

 出典:日本医事新報社

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