2021.06.04
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中小薬局が取るべき基本的戦略とは

狭間研至の薬局経営3.0~社長が変われば薬局が変わる~ vol.9

狭間研至の薬局経営3.0社長が変われば薬局か変わる

 

編集部より

医師であり調剤薬局の経営者でもある狭間研至さんの連載コラム「薬局経営3.0〜社長が変われば薬局が変わる〜」。本コラムを読み進め「経営手法を変えなくちゃ」「変わらなくちゃ」ということはわかってきたけれど、うちの薬局は小さいから・・・大手薬局にはかなうはずがない。いえいえ、そう尻込みすることはありません。第9回は中小規模薬局だからこそできる戦略について解説いただきました。あなたにできる”差別化”をみつけてみませんか?

  

こんにちは。狭間研至です。医薬分業が成長期から成熟期に入り、「医療機関の近くに出店し、早く・正しく調剤し、わかりやすい服薬指導とともにお薬をお渡しした後、一連の出来事を遅滞なく記録する」という業務に専念しているだけでは、いろいろな面で不具合が生じるようになってきました。

 

  

薬局経営2.0で生じてきた3つの不具合

  

1.医療としてのあり方の不具合

医薬分業のそもそもの目的であったポリファーマシーの問題が解決していない以上、薬剤師の業務は変えなくてはなりません。

 

2.薬剤師としての専門家のあり方の不具合

6年の薬学教育を受けた薬剤師が、機械化やICT化が進む中でやりがいのある仕事として従来の業務に取り組むことは難しいのではないでしょうか。

 

3.ビジネスとしての不具合

医薬分業率が75%に到達しパイの奪い合いになる中で、医療費の適正化が進められるとなると、従来のような収益性を担保することは困難ですし、業界全体の発展を思い描くこともできません。

 

しかも、大手企業の薬局が立地を押さえ、効率化や教育への投資を惜しまず、スケールメリットを活かした企業運営を行っておられることを考えると、大多数を占める中小薬局は苦戦を強いられることは当然なのかも知れません。

 

では、最近ではかなり一般的になってきたM&Aに活路を見いだすしかないのか、もしくは、もういっそのこと会社をたたむしかないのかという、なかば暗鬱たる気持ちになるかも知れません。しかし、私は、考え方を変えれば、十二分に明るい展望を描くことはできるのではないかと考えています。今回は、環境が変わりつつある中で、中小薬局が取るべき基本戦略について考えてみたいと思います。

 

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