2020.09.30
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【最終回】看護師に、患者さんに、あなたはどのように伝えていますか?

そこが知りたい看護管理 vol.12

看護管理に迷える読者の皆さまへの羅針盤となるべく始まった本コラムが、最終回を迎えました。最後のテーマは看護実践・看護管理に欠かせないコミュニケーションについてです。多くの手法がある中で、森田さんが衝撃の出会いを果たしたという「PCM」(プロセスコミュニケーションモデル)の有効性をお伝えいただきます。同じことを伝えるにも、相手がどんなタイプの人なのかを理解した上でそれに適した伝え方があるといいます。「伝わらない」と考える前にもしかしたら「伝わっていない」のではないでしょうか。日々たくさんの人たちと接する機会がある看護管理者の皆さまにとって、この手法がマネジメント成功の大事な要素の1つになるかもしれません。皆さまが「魔法使い」な看護管理者になれる日がきますように。

執筆/森田 夏代
編集・構成/メディカルサポネット編集部

そこが知りたい看護管理 森田夏代さん メディカルサポネット マイナビ 

コロナ禍の猛暑、経験したことのない台風と言っている間に気がつけば、すっかり秋の空になり9月も終わろうとしています。早いもので2020年度も後半に入ろうとしています。皆様の夏はいかがでしたでしょうか?私の夏は、今年もまたバタバタと終ろうとしています。

そのような中で、このコラムも12回目を迎え私たちの仕事の土台でもあり、なくてはならないコミュニケーションについてお話ししようと思います。

◆満足につながらないミスコミュニケーション

皆さんは白衣を着て、患者さんやご家族と話しをしている時は、比較的穏やかに、冷静に良いコミュニケーションが取れていませんか?その反面、医師や看護師同士で話しをすると如何か「何回言っても、伝わらない」「また、同じことを注意したのに・・・同じミスをするよね、あの人は」「私の話しをちゃんと聞いてくれない」等と感じていませんか?

 

私たち看護師は、患者さんやご家族という看護の対象に対しては、習得したコミュニケーション技術を駆使して傾聴したり共感したり、交流分析(TA)を学び、コーチング技術を駆使したりしてスムーズなコミュニケーションをとることができます。ですが、対象が同僚や自分の家族になると、何かが違ってきて・・・何となく苦手な人、いつもスムーズに話が進まないと感じることがあると思います。原因は何でしょうか?「白衣を着ていないから?」「考え方が違う、看護観が違うから仕方がない?」のでしょうか?それは違います。対象が変わっても、言語的・非言語的コミュニケーションのどちらであっても、会話の場所がどこであっても、建設的でスムーズなコミュニケーションが取れなければ、お互いの満足にはつながりません。満足につながらないコミュニケーションはミスコミュニケーションです。

 

私自身、患者さんやご家族、多職種とのコミュニケーションはスムーズにできるのに、看護師教育では何か違うと思い、コーチングを数年かけて学び、コーチング技術を修得し実践した時期がありました。そうすると、何となく、上手くいくのですが、数か月すると・・・「伝わらない!」が始まります。そして、近年では学習過程に問題がある、疾患ではないけれど、いろいろなことに敏感に反応する人など、対応に困惑する場面が多くなり始めました。それでもあきらめずに、何か突破口はないかと模索しました。

 

 

  

◆「相手に何を伝えるか」より、「どのように伝えるか」が大切!

こんな時(と言っても2年位前ですが)に、私が運命的な出会いとなったコミュニケーション技法があります。それは・・・プロセスコミュニケーションモデル(Process Communication Model略してPCM)です。

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