2021.04.27
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令和3年度介護報酬改定の注意すべきポイント5つ

介護経営コンサルタント小濱道博の先手必勝の介護経営 vol.7

 

編集部より

今、介護事業所の経営には、「新型コロナウイルス感染症への対応」と「制度改正を見据えた長期的な戦略」という2軸が求められています。先が見通しにくい時代に、介護経営支援に携わってきた小濱介護経営事務所の代表、小濱道博さんが「先手必勝の介護経営」と題して、一歩先行く経営のヒントを1年間にわたってお伝えします。4月となり、新たな介護報酬・加算の適用が開始されましたが、現場は早速多くの混乱を来しているようです。第7回は、今回の介護報酬改定で特に注意すべき5つのポイントについて解説いただきました。介護施設経営者・管理者の皆さま、こちらを読んで改めて確認しておきましょう。

混乱が続く多くの介護現場

 

4月に入っても算定要件に不明な部分が多く存在し、日常業務に支障をきたしていることも多い。厚生労働省老健局で発生したクラスターの影響もあるのだろうか。4月5日以降、Q&A以外の通知がストップしている。介護報酬改定Q&Aは、現時点でVol.6まで公表されているが(4月21日にVol.7が公表)、入浴介助加算などのQ&Aが残っている。しかし、もう4月も終盤に差し掛かる中で、主要な加算のQ&Aが出てきていないことは異常である。

 

また、LIFEデータベースのガイドラインが、4月末~5月初めを目処に出されるとのことだ。LIFEについては、未だにシステムトラブルが絶えない。4月1日から稼働のLIFEデータベースが当初からシステム障害で利用できない状態が続いた。介護記録ソフトの開発も遅れて、納品が初夏となるケースも後を絶たない。居宅介護支援事業所向けの給付管理ソフトも同様で、コロナ特例の0.1%措置などの対応が遅れ気味だ。

 

いずれにしても介護保険法施行20年目の節目で、新たな20年への船出となる介護報酬改定は前途多難を思わせる船出となっている。多くの介護現場での混乱は避けられない。

 

コラム第7回では、今回の介護報酬改定で注意すべきポイント5つについて解説していく。今一度、自施設の対応が間違っていないか確認してほしい。

 

 

1.居宅介護支援事業所の運営基準減算

令和3年度介護報酬改定で、特に注意が必要な改正といえば、居宅介護支援事業所の、義務化された前6ヶ月の間に作成されたケアプランに占める、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与を位置づけたサービス毎の割合と、サービス毎に位置づけた担当事業所の割合を、利用者に書面の交付、口頭説明、署名を得ることが義務化されたことである。これを行っていないと運営基準減算の対象となる。居宅介護支援の運営基準減算は、初月が50%、それ以降は100%減算である。

 

また、この減算を受けてしまうと、特定事業所加算の算定要件を満たさないため、実地指導で指摘されると返還指導となる。基本的に、重要事項説明書に別紙で添付する形での対応になるが、毎年、前期(3月1日から8月末日)、後期(9月1日から2月末日)毎に集計して、新規契約の時点での文書交付、口頭説明、署名が求められる。

 

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