2020.05.29
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配属3日で「辞めたい」と言った新卒看護師が見た景色
~新入職者が感じる“業務”と“看護”の狭間~

そこが知りたい看護管理 vol.9

そこが知りたい看護管理 森田夏代さん メディカルサポネット マイナビ 

  

編集部より

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、今年の年度初めはどの組織もこれまでに経験したことのない対応を強いられています。特に、オンライン授業やテレワークができない医療機関では、新人研修等の調整に追われているのではないでしょうか。
そんな中、今年も多くの新卒看護師が各配属先で奮闘しているはずです。また、これまでと異なるスケジュールで現場に配属された新卒看護師を受け入れるメンバーや看護管理者の皆さんも、彼らをサポートされていることと思います。
中にはリアリティショックを受け、「辞めたい・・・」と言ってきたり、言わずともそんな雰囲気を醸し出している新卒看護師もいるかもしれません。
その時、看護管理者はどのように向き合い、解決へと導くのでしょうか?今回は、配属3日で看護師を辞めていたかもしれない新卒看護師が、森田さんの介入によって看護のやりがいを見出し、臨床指導者までに成長した例をとりあげます。普段私たちが実践している”看護”が、ともすると無機質な”業務”になってしまう可能性があり、看護管理者はスタッフが実践する”看護”を意識して伝えることが大切だと話します。

 

執筆/森田 夏代

編集・構成/メディカルサポネット編集部

  

新型コロナウイルス感染症が与えた学校・病院における教育への影響

緊急事態宣言解除を受けて、新しい生活様式が始まろうとしています。今後、第2波が来るのか否か全く予測がつかない状況のまま5月が終わろうとしていますが、皆さんはどのように仕事と私生活を維持をされているのでしょうか?

 

私の勤務する大学では学内演習や臨地実習が中止となり「オンラインばかりで、実際に実習に出て対面で看護することが可能なのか」という議論が挙がる中でオンライン授業が継続しています。

 

ところで皆さんの職場にこの4月に入職した看護師は、どのように過ごしているのでしょうか。いくつかの医療機関の看護管理者の方にお話を伺うと・・・

 

「今年は中央の集合研修は中止して、各部署病棟で技術オリエンテーションをしています。中央では精神面のフォローのために数人ずつ看護部で面接型の研修をしようかと考えています」

    

「中小規模病院なので、中央研修は中止して配属先で先輩と一緒に行動して、日常生活援助だけでも一緒に実施できれば・・・『ひと昔前のような教育』に戻すしかなくて・・・。でも、秋頃に改めて技術の集合研修は開催したいと思っています」

 

など、例年通りの教育や計画していた教育ができない現状に申し訳なさを感じているようです。

 

    

◆「やっているのは“業務”ではなく“看護”である」ことに気付く瞬間

学生の状況や看護管理者の方のお話を伺って思い出した場面があります。

 

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