2021.08.11
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これだけはダメ!部下のやる気を奪う“5つの叱り方”

裵英洙のマネジメントのちから~人事で悩むあなたへ~
vol.11

 

編集部より

医師で、医療機関コンサルティング会社、ハイズ株式会社代表の裵 英洙(ハイエイシュ)さんの連載「マネジメントのちから~人事で悩むあなたへ~」の第11回目。裵さんは勤務医時代に病院におけるマネジメントの必要性を痛感したことから、10年ほどの勤務医経験を経て、慶應義塾大学院経営管理研究科(慶應ビジネススクール)でMBA(経営学修士)を取得し、現在は各地の病院の経営アドバイザーとして活躍しています。病院経営で重要な「人事」を切り口に、組織マネジメントのポイントを毎月お伝えします。今回は裵さんによる、部下の「叱り方」に関するお話です。病院内において上司ー部下(例えば診療部長と若手医師、看護師長と主任)という関係である以上、部下の成長を促すためにしばしば叱る場面に遭遇します。その時イライラしながら「怒る」ことと、冷静に物事をとらえ「叱る」こと、どちらが部下の今後に良い影響を与えるでしょうか?裵さんが解説する、”やってはいけない部下の5つの叱り方”を知り、やる気を与える管理職を目指してみませんか?

  

執筆/裵 英洙(ハイズ株式会社 代表取締役社長)

編集/メディカルサポネット編集部  

あなたの周りにもいる?!部下のやる気をそぐ管理職

「なぜこんな簡単なことができないの?インシデントレポートは“で・ある調”と言ったよね?これまでの新人はほとんどが言わなくてもできたよ。そういえば、この前の症例検討会の発表も全然ダメだったな。発表時間もオーバーだったし、質問にも答えられなかったし。あ、それから、・・・」

 

こんなやり取りをある病院の医局内で目にしました。管理職で指導医でもある診療科長と医師2年目の若手との会話でした。その後も、診療科長は若手医師の過去のミスを次々と指摘し、最後にはその医師のしゃべり方や髪型まで指摘し始めました。医局にいる他の若手医師も気まずい雰囲気となり、ひとりふたりと静かに部屋を出ていきました。

 

 

 

 

管理職の立場からすると、世の中には2種類の部下が存在します。「やる気のある部下」「やる気のない部下」です。当然、管理職は「やる気のある部下」が喉から手が出るくらい欲しいものです。一方、部下の立場からすると、管理職にも2種類あります。「やる気を与える管理職」「やる気を奪う管理職」です。

 

やる気を奪う管理職は部下のみならずチームのパフォーマンスにも関係し、医療機関での業務遂行の大きな支障となります。特に、ミスを契機にした学びの機会でもあるはずの叱責・指導の場では、その叱り方は部下のやる気に直接的に影響するものです。

 

そこで、今回は「部下のやる気を奪う5つの叱り方」を紹介しましょう。

 

 

部下のやる気を奪う5つの叱り方

① 時間差叱り

ミスが起こった直後に注意しない叱り方です。叱るタイミングは内容よりも大切な場合があります。効果的なタイミングはミスが起こった直後で、部下もミスを認めその改善策に対する学びへの心の準備ができているときです。タイミングが遅れると、指摘する側もきっかけを失くすため後から切り出ししにくくなり、さらに、叱られた部下としては「今さら言われても・・・」と素直に受け入れられません。時間差で叱られると、当時の辛さや恥ずかしさが薄れ、叱られることに対して納得感が下がり気味となり、叱り効果が薄まるのです。

 

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