2021.07.09
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COVID-19がもたらす薬局パラダイムシフト(1)
Golden Routeの消失と「調剤薬局」

狭間研至の薬局経営3.0~社長が変われば薬局が変わる~ vol.10

狭間研至の薬局経営3.0社長が変われば薬局か変わる

 

編集部より

医師であり調剤薬局の経営者でもある狭間研至さんの連載コラム「薬局経営3.0〜社長が変われば薬局が変わる〜」。第10回は「COVID-19がもたらす薬局パラダイムシフト」に関する解説です。私たちの生活や購買行動を一変させたCOVID-19の流行は、調剤薬局の経営にも影響を及ぼしています。ワクチン接種が急速に進む一方で、東京は4度目の緊急事態宣言の発出を検討する状況にあり、オンライン診療や服薬指導の範囲拡大はますます進んでいくことでしょう。当たり前のように来ていた患者さんは減り、処方箋枚数も減少。調剤に専念している薬局は、次の経営の手を打たないことには経営改善の道は開けないのです。

  

こんにちは、狭間研至です。本連載では、薬局を取り巻く現状や抱える課題、あるべき姿、さらにはそこにたどり着くまでの基本的な考え方などをお話してきています。これらは、私が実際に自分の薬局経営に取り組みながら、直面してきた課題や深刻な悩みなどへの対処法や解決策を見いだしてきた中での実感であり、いろいろな講演会やセミナーなどでもお話させていただいています。お伝えしたいことはシンプルで、薬剤師は薬を渡すまでではなく、飲んだ後までフォローするべきだということにつきます。

 

  

考え方が変わっても現場が変わらないワケ

  

服用後のフォローや、そこでの薬学的アセスメントを医師にフィードバックするといった根底にあるアイデアは、私自身が医師として診療に当たりながらたどり着いたもので、2014年の日本薬剤師会学術大会でまとめて発表しました。

 

それ以後、2015年に示された患者のための薬局ビジョンで、対物業務から対人業務にシフトすべきであると提言されて以後、薬剤総合評価調整加算や服用薬剤調整支援料といった診療報酬・調剤報酬上の加算、そして、服用後のフォローは薬剤師の義務にあたることを明記した医薬品医療機器等法の改正など、状況証拠はそろってきたように思います。

 

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