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伊藤美佳「どんな方針の園でも実践できる! モンテッソーリ教育から"こども主体”保育のヒントを学ぶ」

シゴトークLive イベントレポート 2020.09.09配信

今回のシゴトークLiveでは、モンテッソーリ教育をベースに「輝きベビーメソッド」を開発した伊藤美佳さんをゲストとしてお招きしました。『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』『モンテッソーリ流 たった5分で「言わなくてもできる子」に変わる本』など、これまで4冊出版した書籍は累計10万部を突破。新聞やテレビをはじめ、多方面から注目を集めています。
動画前編では「保育士が意外と知らない? 子供の家庭の事情と発達の実態」、後編では「どんな方針の園でも実践できる! モンテッソーリ教育から"こども主体”保育のヒントを学ぶ」の2つのテーマでお送りします。

編集:シゴトークLive編集部 北村岳大

シゴトークLiveとは?

シゴトークLiveは、株式会社マイナビと株式会社Tenxiaが共同運営する、医療・介護・保育業界で働くみなさんへ明日からの仕事に役立つ情報をお届けする動画コンテンツです。各業界の専門家によるセミナーや対談、お役立ち情報を配信しています。

Profile 伊藤美佳(Mika Itoh)

株式会社D.G.P代表。0歳からの乳幼児親子教室「一般社団法人輝きベビーアカデミー」代表理事。幼稚園教諭1級免許。日本モンテッソーリ協会教員免許。保育士国家資格。小学校英語教員免許。NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ。サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー。日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。著書に『引っぱりだす! こぼす! 落とす! そのイタズラは子どもが伸びるサインです』(青春出版社)、『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』(かんき出版)など。

 

 

〈自分で考えて、自分で行動できる〉を応援する教育法

 

これまで2万人の子供たちの様々な教育法を実践してきた伊藤さん。その中で、保育士が教えたことを同じように子供たちにやらせる「一斉保育」も経験したし、子供たちがやりたいことを重視する「自由保育」も経験した。これらはどちらもメリット、デメリットがあるが、これからの保育は両方のメリットをバランスよく取り入れ、〈自分で考えて、自分で行動できる〉を応援する教育法が、今後の未来に生き抜いていける子供たちを育てるうえで重要だと伊藤さんは話す。

 

やや心配になってしまうのは、昨今保育園に入園してくるお子さんの中には、ハイハイがきれいな形でできなかったり、歩き方が不安定だったりするケースを見かけることが多くなってきたこと。動画前編では「保育士が意外と知らない?子どもの家庭の事情と発達の実態」がテーマ。脳の神経細胞の発達に関する知見をベースに、さまざまな分野の経験を小さなうちからしておくことが重要だと説く。刺激を受ければ受けるほど脳の神経回路がどんどん繫がっていくのだ。

 

また昨今、便利なベビーグッズが増えてきたことがかえって子供たちの発達にとって悪影響を与える場面も見られるようになってきたと警鐘を鳴らす。例えばヘッドガード。本来であれば、転んだときの痛みを知ることで次は気をつけようとするのだが、ヘッドガードに守られていることにより痛い思いを経験しないので、転ばないようにするための学習が妨げられてしまうという。また、しつけ箸。これも手指の力がついていないうちに使うと、これに頼らないと箸を持てなくなってしまう。こうしたベビーグッズは便利ではあるものの、過度に依存せずに上手に付き合うことが大事だと伊藤さんは話す。

 

 

お子さんのイタズラを支援し、満足させることが大切だ

 

動画後編では、「どんな方針の園でも実践できるモンテッソーリ教育」について。モンテッソーリ教育とは、医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法で、「子供には、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」の存在を前提としたもの。子供たちを守っていこうとする傾向が強くなりすぎ、転ばないようにしたり、転んでもすぐに助けてあげてしまうと、自分で立ち上がるための力を弱めてしまう。

 

こうした知見を踏まえると、私たちの子供との関わり方も改めて問われるはずだ。そのときヒントとなるのは、私たち大人の目に「イタズラ」として映ってしまう行動の数々。例えば、ちょっと目を離した隙にティッシュを次々に引き出してしまったり、引き出しの中身を引っ張り出してしまう行動。これらは掴んで引っ張る運動機能を発達させたり、腕の筋肉の発達にも繋がっているという。紙を破いてしまう行動は、左右違う動作を覚えることに繋がっているし、オモチャを投げつけてしまう行動は、肩や肘の発達にも繋がるという。そうやって考えるとすべての子供の行動が、機能を発達させることに繫がっているのだ。お子さんのイタズラ行動を満足させると能力が伸びる。具体的にどのようなおもちゃがお子さんの発達を支援するのかも紹介される。

 

子供たちが「今やりたい」と思っている行動を支援するためには、今子供が何を求めているのかを察してあげることが重要だ。思う存分やらせてあげると、もういいや、といつしかやらなくなる。そうした行動の〈旬〉を見逃さず、活動を支援してあげることが大切だ。

 

動画本編では、保育園ですぐに実践できる遊び方や関わり方が具体的に紹介されるほか、動画の終盤では〈保育士あるある相談コーナー〉も。「注意しても聞いてくれない、癇癪を起こす子の対応方法」や「こどもがケンカしたときの仲裁の仕方」「子供が言うことを聞いてくれる魔法の言葉」など、明日から使える実践的なノウハウが満載だ。保育士の方はもちろん、小さなお子さんを持つすべての方に本編のご視聴をおすすめしたい。 

 

 

こちらの放送は、「カンゴトーク」「カイゴトーク」アプリのほか、YouTubeでも全篇をご覧いただけます。イベントの模様をぜひお楽しみください。

【シゴトークアプリのダウンロード】URL=https://mynavi-agent.jp/app/m/?adgroup=ms_eventreport

【YouTube版 前編】URL=https://www.youtube.com/watch?v=0wttFPiLDJs

【YouTube版 後編】URL=https://www.youtube.com/watch?v=00ohA82ONbE

 

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