2019.02.06
3

調剤時だけで終わらない薬剤師の役割を確認
薬機法改正が目指す方向性、薬剤師・自治体で共有

メディカルサポネット 編集部からのコメント

2月1日に「かかりつけ薬剤師・薬局推進指導者協議会」が開催され、患者のための薬局ビジョン実現のための国や団体の取組・かかりつけ薬剤師・薬局に関する地域の取組について話し合われました。医薬品医療機器等法(薬機法)の改正案が認められると「医薬品の服用期間を通じた患者の服薬状況を把握することを義務付ける」予定です。指示通り服用せず「出された薬、余っちゃって」という患者も少なくない中、かかりつけ薬剤師に期待される役割も広く深くなる見込みです。

 

 厚生労働省の森和彦・大臣官房審議官(医薬担当)は1日、「かかりつけ薬剤師・薬局推進指導者協議会」で、医薬品医療機器等法(薬機法)の改正案の今通常国会への提出を目指す意向を改めて示した。同省は法改正に基づき、薬剤師に調剤時だけでなく医薬品の服用期間を通じた患者の服薬状況を把握することを義務付けるほか、患者が薬局を主体的に選択できるような仕組みづくりに取り組む。【吉木ちひろ】

 

参加した薬剤師・自治体担当者にあいさつする森大臣官房審議官(1日、厚労省)

 

 法改正によって、▽薬剤師について、調剤時のみならず医薬品の服用期間を通じて、服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導の義務化▽(専門性が高い薬学管理など)特定の機能を持つ薬局が、自らの機能を表示することを可能とすること―などを進める。厚労省医薬・生活衛生局総務課の勝山佳菜子課長補佐は協議会で、「患者はさまざまな療養環境の場を移行し、関わっていく医師や看護師、介護職など多職種が入れ替わっていく。患者の情報を薬局の薬剤師がつないでいく、療養環境の移行に対応していくことが重要」と指摘した。薬剤師が患者の服用期間に関わる具体的な例としては、小さな子どもを持つ親の相談相手や、外来処方を受けているがん患者への対応を挙げた。

 

 また、勝山課長補佐は集まった自治体の関係者に対して、2019年1月に施行された「薬局機能情報提供制度」の項目を拡充する改正省令について言及した。同制度は薬局の開設者に対し、一定の薬局機能に関する情報の報告を義務付けるもの。拡充した項目は、▽電子版お薬手帳または電子薬歴システムなどICT(情報通信技術)を導入している薬局数▽医師へ患者の服薬情報などを文書で提供した薬局数▽在宅業務を実施した薬局数(過去1年間に平均月1回)▽健康サポート薬局研修を修了した薬剤師が地域ケア会議など多職種と連携する会議に出席している薬局数―など。

 

 拡充項目のうち、この4項目を毎年全国集計し、政府が示した「新経済・財政再生計画改革工程表 2018」の評価指標に取り入れるという。

 

  

 出典:医療介護CBニュース

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP