2021.03.10
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【読者アンケート結果】「概ね妥当」78%、「妥当でない」16%(2月テーマ:新型コロナワクチンの接種順位)

メディカルサポネット 編集部からのコメント

日本医事新報社が毎月行っている読者アンケートで、2月は「新型コロナワクチン」について聞いたところ、接種順位については78%が「概ね妥当」16%が「妥当ではない」と回答。「妥当ではない」とした読者からは「行動範囲の広い20~50代に先に接種したほうが感染が抑えられる」など、高齢者よりも若年者を優先すべきとの意見や、訪問介護の従事者が優先接種の対象から外れていることへの疑問があげられました。また、新型コロナワクチン接種に関して心配していることについても「副反応・副作用への不安」「接種体制の懸念」など様々な意見が寄せられています。

 

 

医療従事者を対象とした新型コロナワクチンの先行接種が2月17日から始まりました。政府は今後、「医療従事者」「高齢者」「基礎疾患を有する者や高齢者施設従事者」「一般の方」の順に接種を進める方針ですが、2月のアンケートでは接種順位の妥当性やワクチン接種をめぐって懸念されることについてご意見を募集しました。

 

接種順位については78%が「概ね妥当」、16%が「妥当ではない」と回答。「妥当ではない」とした読者からは「医療従事者と働き盛りの若年者(20~60歳)を優先させるべき。高齢者は動く範囲が狭いためスプレッダーにはなっていない」(山口・内科医)、「行動範囲の広い20~50代に先に接種したほうが感染が抑えられる」(愛知・助産師)など、高齢者よりも若年者を優先すべきとの意見や、訪問介護の従事者が優先接種の対象から外れていることへの疑問が寄せられました。

 

コロナワクチン接種に関して心配していることについては、「mRNAワクチンなど今までにないタイプのワクチンで、長期的な副作用が心配」(北海道・皮膚科医)、「ADEはないのか」(東京・眼科医)といった副作用への懸念、逆に「副作用をことさらに取り上げることでHPVワクチンの二の舞になることを強く危惧する」(福岡・内科医)といった過剰な副作用報道による接種者減少への懸念、「アナフィラキシーへの対応が1人診療所で可能か」(奈良・内科医)といった接種体制への懸念など様々なご意見をいただきました。

 

以下、皆様からいただいた主なご意見を紹介します。

 

新型コロナワクチン接種に関して心配していること

 

【副反応・副作用問題】

●接種後長期間でみた場合の副作用(副反応)が心配。国産のワクチンはいつ頃接種可能となるのか。そもそも実用化できるのか。(大阪・内科医)

●ワクチン筋注後の筋膜の炎症による神経痛、全身の疼痛などが心配。子宮頸がんワクチン後のような副反応が出なければよいが。(福岡・内科医)

●高齢者での安全性が懸念される。(大阪・内科医)

●アレルギー反応が心配。(神奈川・内科医)

●未知の健康被害が恐ろしいとは思うが、恐れても仕方がない。(京都・内科/精神神経科医)

●ADE(抗体依存性感染増強)の可能性はないのか。(東京・眼科医)

●副作用が心配。副作用発現時に治療法はあるのか? 子孫に副作用が及ぶことはないのか? 初めてのタイプのワクチンだが、開発が早すぎる。(北海道・内科医)

●DNAワクチン、RNAワクチンなど今までにないタイプのワクチンであり、長期的な副作用が心配。変異が多いウイルスなので今後効果が減弱する可能性もある。(北海道・皮膚科医)

●短期的な副作用は通常のワクチンと同じだと思うが、長期的な副作用は全く不明。(京都・内科医)

●短期の副反応のことばかり取り上げられているが、ファイザー製のワクチンはADEを含め長期の副反応の発生が大事(HPVワクチンと同じである)。(埼玉・内科医)

●医療者なので、ほぼ強制的に打つこととなるが、副反応がどこまで出るのかデータが少ない中で行うのは怖く感じる。(愛知・産婦人科医)

●副作用が心配だが、医療従事者は率先して接種すべきと判断する。(兵庫・内科医)

●効果・副作用がまだ十分に明らかでないことは懸念材料になる。(神奈川・小児科医)

●副反応について過剰にプレス発表すると、一般の人々の間でノセボ効果で拒否反応がたくさん出てしまう。その結果、接種者減につながりCOVID-19予防接種低達成国となり、オリンピックもできなくなるだろう。(栃木・内科医)

●副反応を恐れて接種者が減少しないか。正確な情報を与えるべきだ。いまだに接種時のマニュアル、接種場所の決定など全く連絡がない。接種のシミュレーションなどの早めの準備が必要だ。(兵庫・内科医)

●副作用をことさらに取り上げることでHPVワクチンの二の舞になることを強く危惧する。科学的かつ公平な視点からリスク・ベネフィットをきちんと評価すること、さらに集団免疫という概念についてしっかりと周知することが必要。我々医療従事者、特に医師は率先してワクチンを受け、手本を示すべきと考える。(福岡・内科医)

●副反応を恐れていたが、日本医事新報2月6日号の倉原優先生のコラム(識者の眼)を読んで、コロナのワクチンは特別副反応が多いわけではないことを知り、少し安心した。(神奈川・内科医)

●安全性の問題。海外の治験で承認されたワクチンを日本人が打っても大丈夫なのか。(兵庫・看護職員)

●どのワクチンも何十万人に1人、アナフィラキシーショックがあり、添加物のポリエチレングリコールが原因とのこと。ポリエチレングリコールフリーのワクチンが必要。(東京・薬剤師)

●医療従事者を優先するのは納得できるが、副反応などの未知の可能性も含めると人体実験の対象のようにも感じ不安が残る。政治家を第一優先にすべきと感じるのは私だけだろうか?(東京・薬剤師)

 

【効果・有効性】

●本当に効くのか、不明な点が多い。(神奈川・内科医)

●有効性と安全性の国内データの詳細が公表されていない。変異株への効果が証明されていない。むしろ抗ウイルス剤のアビガンを先に承認することが最重要課題ではないか。(東京・薬剤師)

●数種類のワクチンがあるが、現行では選べないことに不安がある。各ワクチンで有効率が異なるので。(神奈川・医療事務職)

 

【接種体制】

●予診の担当、接種の担当、見守りの担当など役割分担の明確な指示がない。施設に入所の方、寝たきりの方にはどのように接種するのだろうか。(兵庫・内科医)

●マスコミでもよく言われているが、重篤な副作用(最悪、死亡など)が出た時の対応がどうなるか。(徳島・内科医)

●急ぎすぎて現場が追いついていない気がしてならない。省庁間の連携が保てているとも思えない。全世界に急いで供給している状況なので、どこまで品質が保てているか心配になる。迅速といっても確実な範囲での供給を望む。(東京・耳鼻咽喉科医)

●予防に関する事項は、対象が極力不利益を被らないことを最優先にすべきだ。ワクチンは予防策の最有力候補であるものの、早く入手できるものが最良のものとは限らない。単純に接種の優先順位を決めて、入手できたものからあてがうというやり方は乱暴ではないだろうか。(愛知・内科医)

●接種側の労働力が全く足りない。(愛知・内科医)

●アナフィラキシーへの対応。集団接種はともかく、ソロプラクティス(一人診療所)で可能かどうか。稀とはいえ、ボスミン筋注が必要なケースがあると思うと、なかなか勇気が必要。(奈良・内科医)

●かかりつけ医であってもリスク予測は困難。(大阪・内科医)

●接種の可否の判断基準がまだ示されてないこと。(長崎・内科医)

●ファイザーのワクチンが先行しているが、今後はモデルナのワクチンの導入も予想される。2つのワクチンの効果・副作用の違いは? いつ・誰が・どこで2回接種したかなどの証拠をどう把握するのか、明らかにしていただきたい。(茨城・外科医)

●国などは、「練馬区モデル」といわれる体制、接種会場(公民館等)と診療所の両方で接種ができる体制にしたいようだが、診療所ではとても無理。事務的にも極めて煩雑だし接種も「1バイアルを何時間以内に6人に接種、余ったら破棄」「15分以上はリカバリーで経過観察」など到底不可能。数時間経てば治まるような軽度の発赤や疼痛を「副作用だ! 薬害だ!」と騒ぐ輩も出てきそう。このような人のために地区に1カ所相談所を設け、対応してもらいたい。(東京・内科医)

●接種者が少なくとも安心して接種を受けられるように平成天皇や美智子さまが接種を受ける様子をビデオ撮影し、その姿を接種会場で流すと良いと思う。(東京・内科医)

●既存のワクチンとは異なる製法でつくられたワクチンであり、後遺症の発生も視野に入れておくべきではないか。ワクチン接種の予行演習を映像で目にしたが、なぜ現場で問診しているのかわからない。現場では接種のみ行うべき。効率よくしないとすべての国民に行き渡らない。(大阪・その他医師)

 

【その他】

●先んじて接種している国の感染者数が確実に減ったというデータがいまだ出ていない。(山口・内科医)

●各国政府がワクチンの結果を急いでいるようで、臨床試験が短期間すぎる。(埼玉・内科医)

●杓子定規に規制されると、必ず「早く予防接種を受けていれば!」ということが起こり得る。(愛知・皮膚科医)

●早く打ちたい。(東京・内科医)

●もっと早くワクチンを承認するべき。コロナを収束させるためにはワクチンしかない。(東京・看護職員)

●ついこの間まで、「ワクチンの承認には一般的に3~4年かかる。長期の副作用を明らかにする必要があるためだ」と言われていた。最近では有名な医療関係者がそのことを忘れたかのように接種を勧めている。上記の問題はどう解決されたのか。説明の必要があると思う。 (東京・その他)

 

 

出典:Web医事新報

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