2020.08.11
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外部のリハ職との連携、どう推進? 「派遣元にも報酬を」との声相次ぐ

メディカルサポネット 編集部からのコメント

「令和3年度介護報酬改定」をめぐる焦点の1つに浮上している、外部のリハビリテーション専門職と連携した介護サービス事業所を評価する生活機能向上連携加算について、厚生労働省はテコ入れを図る構えをみせています。現在は算定率がかなり低く、大半の事業所が着手できていないのが実情で、社会保障審議会・介護給付費分科会が実施したヒアリングでは「派遣元にも報酬を」との声が相次いでいます。

 

※画像はイメージ

 

外部のリハビリテーション専門職と連携した介護サービス事業所を評価する生活機能向上連携加算 − 。利用者の自立支援、重度化防止に向けた取り組みを促すこのインセンティブは、来年4月に迫る次の介護報酬改定をめぐる焦点の1つに浮上している。【Joint編集部】

 

現在は算定率がかなり低い。昨年度の調査結果によると、特別養護老人ホームで6.3%、通所介護で3.4%、訪問介護で0.4%。大半の事業所が着手できていないのが実情で、厚生労働省はテコ入れを図る構えをみせている。

 

社会保障審議会・介護給付費分科会が3日に実施したヒアリングでは、複数の団体が具体策に言及。リハ職を派遣する側にも見返りが必要、との意見が相次いだ。

 

日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会は共同でプレゼンし、「阻害要因は介護事業所へリハ職を派遣するほどのマンパワーが(病院などに)ないこと」と指摘。「派遣する側への報酬の設定をお願いしたい」と注文した。

 

全国リハビリテーション医療関連団体協議会も、「派遣する側への報酬がないことが大きい」と主張。日本ホームヘルパー協会も、「連携先に報酬がないため依頼しにくい」との認識を示した。

 

第181回社会保障審議会介護給付費分科会資料

 

厚労省は年内に具体策を固める予定。関係者からは既存の単位数(最大200/月)の引き上げを求める声も出ており、期待にどこまで応えられるか注目が集まる。

 

もともと訪問介護のインセンティブだった生活機能向上連携加算は、前回の2018改定で通所介護や小規模多機能、グループホーム、特養などにも創設された。外部のリハ職と連携した機能訓練のマネジメントを評価する仕組み。訪問リハ事業所、通所リハ事業所、病院のPT、OT、STのいずれかに来てもらい、共同でアセスメント、計画策定、進捗管理を実践することなどが要件とされている。

 

取り組みの普及に向けた課題は、やはり外部のリハ職との連携が進む環境をいかに整備するかだ。厚労省はICTをより積極的に活用していく案も検討中。この日のヒアリングでは、リハ職の派遣元の対象を訪問看護などにも広げるべきとの提言もなされた。

 

 

出典:JOINT

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