2020.07.01
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自立支援・重度化防止や介護人材の確保などを議論―介護給付費分科会

メディカルサポネット 編集部からのコメント

2021年度介護報酬改定に関して、横断的テーマのうちの①自立支援・重度化防止、②介護人材の確保・介護現場の革新、③制度の安定性・持続可能性の確保の3項目について議論が行われました。大西委員(高松市長)は、技能・経験のある介護職員の処遇改善を目的に19年度改定で導入された「介護職員等特定処遇改善加算」の算定率が、サービス全体で6割程度にとどまっている現状に問題意識を表明。主な要因は手続きの煩雑さと職員間の賃金バランスが取れなくなることにあるとして、見直しの必要性を訴えています。

 

 社会保障審議会介護給付費分科会は6月25日、2021年度介護報酬改定に関する横断的テーマのうち、①自立支援・重度化防止、②介護人材の確保・介護現場の革新、③制度の安定性・持続可能性の確保―の3項目について議論した。

 

 厚生労働省は議論に先立って、各項目に関連した現状分析や論点を分科会に提示。自立支援・重度化防止では各介護サービスの質を評価する指標のあり方や、アウトカムの評価について、18年度改定で導入された通所介護の「ADL維持等加算」の検証も踏まえながら、さらなる取り組みを検討することなどを分科会に求めた。介護人材の確保・介護現場の革新では、人材確保に結びつく介護報酬や人員、運営基準上の対応のほか、ICTを活用した業務改善や報酬請求文書などの簡素化、標準化、ICT化などを論点に位置付けた。制度の安定性・持続可能性の確保では、新型コロナウイルスのような感染症の拡大や災害時の対応を課題に挙げた。

 

 議論で大西秀人委員(全国市長会介護保険対策特別委員会委員長・高松市長)は、19年度改定で導入された「介護職員等特定処遇改善加算」の算定率がサービス全体で6割程度にとどまっている現状に問題意識を表明。主な要因は手続きの煩雑さと職員間の賃金バランスが取れなくなることにあるとして、見直しの必要性を訴えた。介護サービスのアウトカム評価では、今井準幸委員(民間介護事業推進委員会代表委員)が、「ADL維持等加算」について、「事業者側からみると算定のハードルが非常に高い」と算定要件の緩和を求めた。

 

■21年度介護報酬改定について関係団体から意見を聴取

 

 分科会はこの日、21年度介護報酬改定について関係団体からのヒアリングを実施することも決めた。日本病院会、全日本病院協会、国民健康保険中央会などの関係団体のうち、事前照会に対して意見ありと回答した団体から意見を聞くこととする。

 

出典:Web医事新報 

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