2020.05.07
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米FDA、新型コロナ感染症へのレムデシビル緊急時使用を許可─重症患者に限定

メディカルサポネット 編集部からのコメント

ギリアド・サイエンシズ米国本社は、抗ウイルス薬「レムデシビル」が米国食品医薬品局(FDA)から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する緊急時使用許可を取得したと発表しました。今回の緊急時使用許可は、重度のCOVID-19症状を呈する患者に限定して用いることを許可したもの。ギリアドは米国政府と連携して供給体制を構築し、患者への10日間投与を前提に2020年10月までに50万人分、12月までに100万人分の生産を実現するとしています。日本国内では、5月4日に同社から特例承認を求める申請があり、厚生労働省は「速やかに承認手続きを進める」意向を示しています。

 

ギリアド・サイエンシズ米国本社は5月1日、開発中の抗ウイルス薬レムデシビルについて、米国食品医薬品局(FDA)より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する緊急時使用許可を取得したと発表した。これにより米国では、レムデシビルをCOVID-19の重症入院患者に広く使用することが可能になる。

 

今回の緊急時使用許可は、重度のCOVID-19症状(室内気下の酸素飽和度(SpO2)94%以下、酸素補給・人工呼吸器・体外式膜型人工肺(ECMO)が必要な場合など)を呈する患者に限定して用いることを許可したもの。レムデシビルは静脈内に投与する薬剤であるため、入院中の患者で静注薬剤の使用が臨床上適切と認められる患者に用いられる。

 

ギリアド「安全性と有効性は確立されていない」

 

ギリアドは「緊急時使用許可は一時的な措置であり、正式な新薬承認申請の提出、審査と承認のプロセスに代わるものではない。レムデシビルは現在開発中の薬剤で、いかなる用途でもFDAの承認を得ておらず、COVID-19治療薬としての安全性と有効性は確立されていない」と強調。

 

レムデシビルの使用に伴い予測されない有害事象が現れるおそれがあることから、「投与期間中は臨床状態の観察や臨床検査を適切に行い、有害事象の早期検出に努めてほしい。投与前後に腎機能と肝機能のモニタリングを行い、血液化学検査と血液学的検査も毎日行っていたただきたい」と呼びかけている。

 

FDAは、①米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が主導する中等症・重症患者を対象としたプラセボ対照第III相臨床試験、②ギリアドが実施中の重症患者を対象とした5日間投与と10日間投与を評価する試験─の2つのグローバル臨床試験から得られたデータに基づいて、レムデシビルの緊急時使用許可が必要と判断した。

 

COVID-19に対するレムデシビルの最適な投与量・投与期間は未だ不明だが、今回の緊急時使用許可の下では、侵襲的人工呼吸器やECMOを必要とする重症患者には10日間投与、それ以外の重症患者には5日間投与が推奨。5日間投与で臨床状態の改善が得られない場合は、総投与期間10日間まで延長できる。

 

12月までに100万人分生産

 

米国政府はCOVID-19の影響が特に大きい都市にレムデシビルを提供できるよう調整する方針。ギリアドは米国政府と連携してレムデシビルの供給体制を速やかに構築し、各患者への10日間投与を前提に2020年10月までに50万人分、12月までに100万人分の生産を実現するとしている。 

 


出典:
Web医事新報 

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