2018.05.02
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診療所医師、服薬情報は看護師から みずほ情報総研、薬剤師の介護関わり調査

メディカルサポネット 編集部からのコメント

みずほ情報総研がまとめた調査結果によると、診療所の医師は、患者の服薬情報を看護職員から行うケースが83.6%と最多でした。

   

介護における薬剤師の役割を検討するため、みずほ情報総研がまとめた調査結果の報告書(2017年度老人保健健康増進等事業)によると、診療所の医師は、要介護の外来患者の服薬情報を診療所外の地域の他職種に「特に確認しなかった」とする回答が多かった。情報収集を行う場合は、看護師からが最も多く、薬剤師からを上回った。【齋藤栄子】

 

報告書は、「介護分野における薬剤師の関わり方等に関する調査研究事業」に基づくもので、薬局薬剤師や患者(利用者)とその家族などの個人と、介護施設、診療所などの施設を対象に17年8月23日から10月31日にかけて調査し、計2179件の回答を得た。薬剤師が居宅、介護施設で他職種と服薬に関する情報共有ができているか、患者の入退院時も情報を共有して薬物療法の連続性を確保し、相談に対応できているかを調べた。

 

診療所の医師が調査日に、地域の他職種から服薬情報を「特に確認しなかった」とする要介護の外来患者の平均人数は7.39人だった。情報収集を行った場合では(複数回答)、「看護職員から」が平均0.91人で最も多く、「薬剤師から」は同0.35人だった。介護老人保健施設の医師は、服用薬の内容を薬剤情報提供文書などから自身で確認したとする回答が全体の88.4%を占め最も多く、次いで「施設内の他職種が確認した結果報告を受ける」(73.6%)だった(複数回答)。

 

患者の服薬介助の要否について情報収集したと答えた職種別の割合は、看護職員(83.6%)が最も高く、次いでケアマネジャー(80.6%)、介護職員(80.3%)などの順で、老健施設薬剤師(16.1%)が調査対象の中で最も低かった。要支援・要介護度の情報収集については、ケアマネジャー(94.4%)、老健施設医師(90.1%)が高く、薬局薬剤師(33.2%)が最低だった。報告書では、薬剤師は医師や看護・介護職員などに比べて、服薬介助の要否や嚥下能力、要支援・要介護度といった患者の周辺状況について情報収集している割合が低いとしている。

 

認知症施策に関する質問では、認知症の人や家族に複数の専門職が早期から関わる認知症初期集中支援チームを、介護施設薬剤師の68.8%、薬局薬剤師の59.2%が「ほとんど知らない」と回答した。「他職種が認知症施策について薬剤師に期待すること」では、「薬剤師の認知症初期集中支援チームへの参加」や、「認知症サポート医と連絡し合える関係を築くこと」などについて、「そう思う」「ややそう思う」との回答が7割超を占めた。

 

調査に回答した患者・家族の状況は、服用薬の種類数は「6-9種類」(36.2%)が最も多く、次いで「2-5種類」(30.8%)、「10種類以上」(22.3%)などの順。服用薬の管理は、患者が「自分で行っている」(55.0%)が最多で、「家族などが行っている」(27.7%)がこれに次いだ。服用に際して困っていることでは、「特にない」(57.7%)を除くと、「服用する薬の量や種類が多い」(14.6%)、「飲み込む力が弱くなったなど、薬が飲み込みにくくなった」(9.6%)や「副作用が出ていないか不安」(9.2%)が多かった(複数回答)。  

出典:医療介護CBニュース

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