2020.05.07
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新型コロナ感染症へのアビガン使用、医療機関要件を周知─4月下旬時点で2000例以上に投与

メディカルサポネット 編集部からのコメント

新型コロナウイルス感染症の治療としてアビガンを使用した医療機関は1100施設、患者数は2194人(4月26日付)にのぼり、その数は拡大を続けています。一般医療機関がアビガンを使用する際は、藤田医科大等の研究班による観察研究に参加する必要があり、また、参加するための医療機関の要件も4点定められています。このことから、厚労省は4月27日付けの事務連絡等で、観察研究の枠組みでアビガンを使用するための要件やアビガン提供を希望する際の連絡先などについて、医療機関への周知を進めています。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)へのアビガン(一般名:ファビピラビル)の使用について問い合わせが増えていることから、厚生労働省は4月27日付の事務連絡などを通じて、観察研究の枠組みでアビガンを使用するための要件やアビガンの提供を希望する場合の連絡先などについて医療機関への周知を進めている。

 

国内のCOVID-19患者へのアビガンの使用は、観察研究、臨床研究、企業治験の枠組みで行われており、厚労省によると、4月26日現在、1100施設の医療機関で2194人の患者に投与されている。

 

厚労省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部から全国に送付された27日付の事務連絡では、一般の医療機関がCOVID-19患者に対してアビガンを使用する場合、藤田医科大の研究班や国立国際医療研究センターの研究班による観察研究に参加する必要があると明記。

 

参加するための医療機関の要件として①医師の管理下で確実な服薬管理・残薬管理ができる、②患者本人の同意を取得した上でアビガンを使用、③観察研究について倫理審査委員会の承認を受ける、④薬剤の適応外使用について通常必要な手続きを実施─の4点を示している。

 

「妊娠可能な女性」などへの投与は慎重に検討

 

また、アビガンは動物実験で催奇形性が確認されていることから「妊娠可能な女性、妊娠させる可能性のある男性への投与は、慎重な検討が必要」とあらためて注意を促し、アビガン投与に至った症例については藤田医科大と国立国際医療研究センターに情報提供する必要があるとしている。

 

速やかに納入する体制も整備

 

27日付の事務連絡では、製造販売元の富士フイルム富山化学などとの連携でアビガンを速やかに納入する体制も整備されているとし、薬剤の提供等に関する問い合わせ先(厚労省医政局研究開発振興課治験推進室:chikensuishin@mhlw.go.jp )に連絡すれば速やかに対応するとしている。

 

COVID-19へのアビガン使用については、早期投与により症状の改善がみられたとする報告が相次いでいることから、日本医師会は27日、入院初期のハイリスク者へのアビガン投与を積極的に推進するよう自民党に要望。医療機関・医療関係団体の間で使用拡大を求める声が高まっている。

 


出典:
Web医事新報 

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