2020.04.10
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富士フイルム富山化学:新型コロナ感染症の承認取得へ「アビガン」国内治験開始[新薬開発・販売 FRONTLINE]

メディカルサポネット 編集部からのコメント

富士フイルム富山化学は、新型コロナウイルス感染症の治療薬として「アビガン」(一般名:ファビピラビル)の承認取得へ向け国内治験(国内第Ⅲ相試験)を開始したことを発表しました。治験終了は6月末を目指しています。また、ニーズに応えるため、国内外のパートナーとの連携体制を構築し、増産を加速させていくと示しています。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬の有力候補として注目されている抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)について富士フイルム富山化学は3月31日、承認取得に向け国内での治験(国内第Ⅲ相試験)を開始したと発表した。

 

 

治験実施機関は公開されていないが、同社は、COVID-19患者100例を対象にアビガン投与時の治療効果と安全性を確認し、「6月末までに治験を終了したい」(広報担当)としている。

「ニーズに応えるため、増産加速させる」

アビガンは、同社が開発し、新型・再興型インフルエンザ発生時に国の判断で使用できる医薬品として2014年3月に承認。ウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害することでウイルスの増殖を防ぐというメカニズムを持つことから、インフルエンザウイルスと同種のRNAウイルスである新型コロナウイルスへの効果が期待されている。

 

政府は今年2月下旬にアビガン増産の検討を同社に要請。これを受け、同社は3月上旬に生産をスタートさせていた。今後の増産体制について富士フイルムグループは「日本政府や各方面から寄せられているニーズに応えるため、国内外のパートナーとの連携体制を構築し、増産を加速させていく」としている。

 

アビガンについては安倍晋三首相が3月28日の記者会見で、「(COVID-19治療薬として)正式に承認するに当たって必要となる治験プロセスを開始する」と表明。「ウイルスの増殖を防ぐ薬であり、既に症状の改善に効果が出ているとの報告もある」として、アビガンの効果を高く評価する姿勢を示していた。

 

国内で観察研究としてCOVID-19に使用されている薬剤

抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」(富士フイルム富山化学)、抗ウイルス薬レムデシビル(ギリアド・サイエンシズ)、抗HIV薬「カレトラ」(アッヴィ)、喘息治療薬「オルベスコ」(帝人ファーマ)

 

出典:Web医事新報

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