2026.01.22
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イノラス配合経腸用液とは?特徴と服薬指導ポイント、ラコールNFとの違いも徹底比較

すぐに活かせる!服薬指導の品質を高める実務ヒント

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☞この記事でわかること

  • イノラス配合経腸用液とは|薬剤師が押さえるべき基本特性
  • イノラスが「飲みにくい」と言われる理由|ラコールNF液との比較
  • イノラスの服薬指導ポイントと副作用管理

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1.イノラス配合経腸用液とは|薬剤師が押さえるべき基本特徴

 

イノラス配合経腸用液は、経口・経管の両方で使用可能な経腸栄養剤です。最も大きな特徴は、1.6kcal/mLと高濃度であることです。

規格は125mL(200kcal)と187.5mL(300kcal)の2種類があり、食が細くなった患者でも、少量で必要なエネルギーを確保できるよう設計されています。 

 

1-1. 「販売中止」は誤解? イノラスの供給状況

現場で「イノラスが販売中止になる」という話を耳にするかもしれませんが、イノラス配合経腸用液の販売中止の事実はありません。

 

同じメーカーの「ラコールNF配合経腸用半固形剤」が2025年8月頃に販売中止予定であると案内されたため、混同されている可能性があります。イノラス(液体)継続して供給されていますので、安心して使いましょう。

 

 

2.イノラスが飲みにくいと言われる理由|ラコールNF液との比較

イノラスが飲みにくいと言われる理由|ラコールNF液との比較

 

「イノラスは飲みにくい」という患者の声には理由があります。

ここでは、広く採用されているラコールNF配合経腸用液との仕様比較を通じて、飲みにくさの要因と対策について、説明します。

 

 

2-1. イノラス vs ラコールNF配合経腸用液の比較

イノラスとラコールNF配合経腸用液の主な仕様比較は、以下のとおりです。

  

イノラスとラコールNF配合経腸用液の仕様比較
比較項目 イノラス配合経腸用液 ラコールNF配合経腸用液
カロリー 1.6 kcal/mL 1.0 kcal/mL
分類 経腸栄養剤(経口・経管両用) 経腸栄養剤(経口・経管両用)
規格(1包) 125mL(200kcal)
187.5mL(300kcal)
200mL(200kcal)
400mL(400kcal)
禁忌 牛乳たん白アレルギーを有する患者 牛乳たん白アレルギーを有する患者
フレーバー 5種類(ヨーグルト様、りんご様、コーヒー様、いちご様、紅茶様) 5種類(ミルク様、コーヒー様、バナナ様、コーン様、抹茶様)
※400mLバッグにはミルク様
薬価(10mLあたり) 14.60円 10.7円
薬価(200kcalあたり) 182.5円(125mL包) 196.00円(200mL包)

イノラスはラコールNFに比べてカロリー密度が高く、同カロリーを摂取する場合の液量が少なくて済みます。

また、200kcalあたりの薬価で比較すると、イノラスの方が安価に設定されています。

 

  

2-2. 飲みにくさの理由とフレーバーの特徴

飲みにくさの主な要因は、1.6kcal/mLという高カロリー密度ゆえの濃厚さ、重さ、特有の甘みにあると考えられます。

実際に味見をした薬剤師のレビューでも「全部飲むのは難しい」との声が聞かれます。

 

フレーバーは患者の嗜好に合わせて選択可能です。

りんご・いちご 味は酸味があり比較的さっぱりしており、コーヒー・紅茶味は風味で基剤の味をカバーし飲みやすくなっています。

 

  

3.イノラスの服薬指導ポイントと副作用管理  

イノラスの服薬指導ポイントと副作用管理

 

適切な栄養管理のためには、正しい飲み方と副作用への対策が不可欠です。添付文書などの情報を基に、指導のポイントをまとめました。

  

 

3-1. 経口投与時の服薬指導 (飲み方の工夫)

服用前には、成分を均一にするためによく振ってから飲むよう指導します。

飲みやすくするため冷やして飲むことは可能ですが、凍結させると解凍時に乳化が不安定になるため避けるようにしましょう。

また、温める場合は70℃以下で湯せんし、電子レンジの使用は突沸などの危険があるため注意が必要です。

 

 

  

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