2026.02.24
5

クリニック採用は「マーケティング」と「制度設計」で9割決まる
―地方・自費・小規模でも成果を出した実例から―

人材不足に負けない!【クリニックの採用と定着】

クリニック採用は「マーケティング」と「制度設計」で9割決まる ―地方・自費・小規模でも成果を出した実例から―

 

   

☞この記事でわかること

  • クリニック採用がうまくいかない本当の原因と、「認知・興味・応募」で成果を出す採用マーケティング設計の考え方
  • 地方・小規模・自費クリニックでも実践できる、採用ページ改善や導線設計による応募数増加・人材紹介コスト削減の具体事例
  • 採用後の離職を防ぐために重要な、口コミ対策(MEO)や低コスト福利厚生、復職制度など「定着」を見据えた制度設計のポイント

 

   

1. なぜ、求人を出しても人が来ないのか 

「求人を出しても応募が来ない」「結局、人材紹介会社に頼るしかない」

こうした悩みは、都市部・地方を問わず、多くの院長先生から聞こえてきますが、その原因の多くは「人材不足」だと考えられています。

しかし、本当にそうでしょうか。

  

同じ地域、同じ診療科目でも、採用に困っていないクリニックは存在します。

その違いは、立地でも給与でもありません。

 

採用を「マーケティング」として設計しているかどうかです。

求職者の行動は3ステップで、クリニックを「知る(認知)」、「興味を持つ」、そして「応募する」。

この導線のどこかが途切れていれば、いくら求人を出しても成果には結びつきません。

 

本稿では、この導線設計の具体策と、実際に採用改善につながった事例をお伝えします。

 

 

2. 認知・興味・応募―3つの導線を設計する

  

2-1. 【認知:接点を複数持ち、説明会で反応を得る】

まず「認知」の手段は複数持つことが鉄則です。

 

自院ホームページ、SNS、地域のフリーペーパー、求人サイト、スタッフからの紹介(リファラル)、看護学校や専門学校との連携、視認性の高い場所での開業、野立て看板など、複数のチャネルを組み合わせて接点を増やしていきます。

特に地方ではフリーペーパーの影響力が依然として大きい一方、単なる求人掲載だけでは反応が鈍くなっているのも事実です。

 

そこで効果を上げたのが、日程を明示した説明会の告知でした。

「○月○日、クリニック説明会を開催します※履歴書不要、私服OK、友達との参加OK、いつでも退出可」

 

このように打ち出すことで、「すぐに転職したいわけではないが、話だけでも聞いてみたい」という潜在層にもリーチできます。

すぐに転職するつもりがなかったとしても、話をする中で、採用に繋がったケースも複数ありました。

   

2-2. 【興味:採用ページに「共感できる情報」を載せる】

認知を広げても、興味を持ってもらえなければ応募には繋がりません

多くのクリニックに共通する課題が、採用ページに募集要項しか掲載されていないことです。

 

求職者が本当に知りたいのは、給与や勤務時間だけではありません。

「このクリニックで働く自分」をイメージできる情報を求めています。

院長の診療理念や経営に対する考え方、どんな人材を求めているのか、福利厚生、実際に働くスタッフの声、研修や教育の体制などです。

 

理想的な構成は、採用ページの前半でこうした「共感できる情報」をしっかり伝え、後半で募集要項を提示する形です。

   

2-3. 【応募:ハードルを下げる仕掛けをつくる】

興味を持っても、応募という行動には心理的なハードルがあります。

このハードルを下げる施策として有効なのが、定着を前提とした採用ボーナスです。

 

入職1か月後に○万円、半年間の定着で○万円を支給する形にすれば、直接応募を促しながら定着も促進できます。

人材紹介会社に数十万円の手数料を支払うことを考えれば、結果的にコストを抑えられます

 

2-4. 【事例】人口30万人の地域で、採用コスト年間500万円以上を削減

人口約30万人の地域にあるクリニック(有床)では、毎年約500万円以上を人材紹介会社に支払っていました。

このクリニックで、採用ページの構成見直しやトップページからの導線を改善、ホームページへの流入を増やす目的でフリーペーパー等を活用したことにより、ホームページからの応募が増加し、人材紹介コストを年間で約500万円以上削減することができました。

 

 

3. 見落とされがちな「定着」と「意外な盲点」

ここまで「認知→興味→応募」の導線設計についてお伝えしてきました。

しかし、採用がゴールではありません。採用した人材が定着しなければ、また同じコストと労力がかかるだけです。

 

会員登録されている方のみ続きをお読みいただけます。

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事一覧

TOP