2022.05.12
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【最終回】 自院ならではの魅力を創出して、看護師採用戦線を勝ち抜け!

ケースから学び看護師採用の勝ち組になる! vol.10

ケースから学び看護師採用の勝ち組になる!

 

編集部より

思ったように看護師を集めることができず、頭を悩ませている病院は少なくないでしょう。より効率的に、より確実に、より自院にマッチした人材を集めるためには、どんな取り組みが必要なのでしょうか。本シリーズでは、医療業界の採用に長年携わってきた株式会社ITA取締役副社長の吉本賢次氏に、実例を踏まえた看護師採用のポイントを語っていただきます。最終回となる今回は、採用力をアップさせる「魅力の創出」についてお伝えしつつ、これまで述べてきた看護師採用のポイントを総括します。

 

取材・文/中澤 仁美(ナレッジリング)

撮影/和知 明(株式会社BrightEN photo)

編集/メディカルサポネット編集部

 

 

競合他院を知って「勝負所」を見極めよう

 

「採用力をアップさせたい」と願わない病院の経営者や管理職はいないでしょう。看護師不足に悩まされることなく、自院にマッチした優秀な人材を選べるようになれば、どんなにいいことでしょうか。ところが、こうした願いを持ちながら、自院の地域における立ち位置(つまり、競合他院との差)を意識していない人が少なくありません。これでは敵を知らないままやみくもに突撃する戦国武将のようなものです。「看護師採用に関して他院にはどんな強みがあるのか」「求職者の目から自院はどう見えているのか」といった点を理解しておくことが、自院の採用力を高めるための基盤になります。

 

その際、具体的にはどんな項目を調査すればいいでしょうか。筆頭に挙げられるのが「給与」「年間休日」。看護師からの注目度が非常に高い一方、病院の公式ウェブサイトやハローワークなどで調べればすぐに情報収集できるからです。同一医療圏内・通勤圏内にある同程度の規模を有する病院、あるいは類似した機能の病院について一覧にしてみると、自院の立ち位置が浮き彫りになってきます。この一覧表で比較したとき、自院が給与も年間休日も下位ランクであれば、「すぐ近くに住んでいる」といった特別な理由がない限り、求職者がなかなか応募してこないと考えられます。

 

しかし、予算には限りがあるわけなので、いきなり給与を大幅に上げることは難しいはずです。看護師という職業の特性上、業務内容や教育体制という点で大きな差別化を図ることも簡単ではありません。これら以外の部分でアピールできることを考え、魅力を訴えかけていくしかないと思います。自院の強みを見極め、広報活動でも徹底して魅力的なイメージを伝えていきましょう。目標は、求職者や人材紹介会社が「〇〇といえばあの病院」とすぐに連想できるレベルにまで到達することです。

 

ケースから学び看護師採用の勝ち組になる!

 

 

食堂、更衣室、託児所……工夫次第で魅力は創れる

 

このようにお伝えすると、「うちに特別な魅力なんて……」という反応が少なくありません。ただ、理解してほしいのは、決して日本一をめざす必要はないということ。「地域の他院より少し上」というレベルでかまわないのです。こうした「小さな差別化」がもたらす効果は想像以上に大きく、労力やコストの割に大きなリターンが得られるケースもまれではありません。

 

例えば、職員食堂がきれいだったり美味しかったりすることは、求職者にとって大きな魅力です。食事は毎

 

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